4年目の日本ハム清宮幸太郎内野手(22)が26日、札幌市内で契約更改交渉に臨み、減額制限(25%)に迫る500万円減の1700万円でサインした。新庄剛志新監督(49)からの減量指令を受け止めて、すでに体重は今季開幕前から10キロ減。かつて高校通算111本塁打を誇った大砲は、来季の目標にシーズン30本塁打を掲げるなど“絶口調”で、5年目の飛躍を期した。(金額は推定)

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初の大幅ダウンにも、清宮は吹っ切れたような笑顔を見せた。開幕前より精悍(せいかん)になった顔つき同様、発言も切れ味抜群。「もっと下がると思ってたんで…。真摯(しんし)に受け止めなきゃ」と姿勢を正した上で「そんなにもらえるんだと思った」と驚き、「目標が小さくてもつまらない。現状からは程遠いですけど、ホームラン30本」と来季へ明確な数字を掲げた。さらには、11月の秋季キャンプで新庄監督から飛んだ減量指令に「ちょうど(体を)絞っていこうと思っていたので、後押ししていただいた」と肉体改造に取り組んでいることを明かした。

この明るさも「心をつかまれている」という新庄BIGBOSS効果か-。あえて増量して臨んだ今季は、4年目で初めて1軍出場なし。球団からは「成長のためにあげた1年のようなもの」と言われ「変わらなきゃいけない」と、気を引き締める。開幕前に人生最重量の108キロだった体重は、現在98キロほど。目標は中学3年以来となる90キロ台前半で、理想の体には1年目の細川(174センチ、75キロ)の名を挙げた。「球団マネジャーからは『今は“太川”だから』と言われている。まずは“中川”くらいで(笑い)」。糖質を控えるなど食生活の改善に加えて、秋季キャンプ中から後輩の吉田と毎日、時速6キロの散歩を敢行。朝に弱い吉田に手を焼きながらも「10分で1キロ進む。必死に歩いてます」と継続予定だ。

大減量で体形が変わっても「(服は)乾燥機で縮むので」と笑い飛ばす。新監督を迎え、体制が一新する来季。「(前監督の)栗山さんにお世話になりっぱなしで、全く恩を返せなかった。恩を返すためにも来年が勝負。(活躍して)『あの1年があったから』と思えるようにしなきゃいけない」。来年2月1日の春季キャンプへ向け、生まれ変わる。【中島宙恵】

<日本ハム清宮の契約更改>

◆1時間 18年、自身初の契約更改は球団との話し合いに1時間を費やした。ルーキーイヤーは53試合に出場し、憧れのソフトバンク王球団会長の1年目と並ぶ7本塁打を放った。300万円増に「来季はもっとスケールの大きなことができたら」と野望を口にした。

◆獲る 19年は開幕前に右手有鉤(ゆうこう)骨の骨片摘出術、シーズン終了後には右肘関節形成術と、2年連続でケガに泣かされた。それでも200万円増の2000万円に「シーズンが終わったら、堂々と胸を張れるような成績を残せたら」。登場曲「スター・ウォーズのテーマ」にちなみ、ライトセーバーの先端に来季目標「獲る」を貼りつけ写真撮影に応じた。

◆神妙 20年は200万円増の2200万円で1発サイン。キャリアハイの96試合出場も、打率1割9分、7本塁打にとどまった。いつもの天真らんまんさは影を潜め、「アップするとか思っていなかったので、本当にありがたいです」と話し、球団側から言われた「清宮はこんな成績じゃない」を神妙に受け止めた。