サンズ先生、見ていてください。阪神佐藤輝明内野手(22)が、今季限りで退団するジェリー・サンズ外野手(34)に感謝した。鳴尾浜球場で取材に応じ「考え方やバッティングフォームも一番教えてもらった。すごいお世話になった」としみじみと語った。

サンズの助言で打てた試合がたびたびあった。心に残るのは8月17日DeNA戦(東京ドーム)での2打席連続本塁打。内角攻めに苦しむ姿を見て、助っ人は言った。「テルはインコースも逆方向に運べる力があるよ。テルはできるから、インコースも意識しなくても打てるから、普通に打てよ」。

ポジティブワードに背中を押され、ともに左腕浜口の内角球を捉え、2発目の22号ソロは、言葉通り左翼席に放り込んだ。

メジャー好きの佐藤輝は米、韓国球界を渡り歩いた34歳を慕った。愛用するサポーターをプレゼントされたこともある。何よりルーキーにとっては、野球に対する姿勢が生きる教材だった。「外国人ってそんな考えてないのかなと…。(サンズは)日本人より考えてるんじゃないかというぐらいめっちゃ考えてる。先生みたいな感じでした」。

5番サンズ、6番佐藤輝で前半戦快進撃を引っ張った助っ人が、来季はいない。「教えを生かして、もっと打てるように。結果を出すことでジェリーも喜んでくれると思うので、頑張りたいと思います」。さびしさを振り払うように、佐藤輝が力強く決意表明した。【中野椋】