上品な一打が試合を決めた。東京ガス(東京都)5番の加藤雅樹(24=早大)が3打数2安打2打点の活躍。三菱重工West(神戸市、高砂市)を下し、8強入りを決めた。

初戦は4打数無安打。2度の満塁の好機にも応えられなかったが、この日は違った。1-1と同点で迎えた1回2死二塁。144キロの直球を中前へ計ったかのように落とし、勝ち越し打とした。加藤は「前の試合の分をやり返したかったです。(初回の場面は)一気に逆転できるかどうか。不安もありましたが、1本打てたことにうれしさを感じます」と丁寧に話した。第3打席でも左前適時打を放ち、初戦の悔しさを晴らした。

打撃の改善の裏に、山口太輔監督(44)からの金言があった。大卒2年目の加藤は初めての都市対抗。初戦は緊張から硬さがみられた。力みをとるべく「センター方向に上品な打球を打ってみたらどうだろう」と助言。力を抜いて、野球の基本に立ち返った末に出た一打だった。山口監督は「長打力が魅力の打者ですけど、それが力みにつながっていた。今日はナイスバッティングだったと思います」と笑顔で話した。

次戦は4強をかけ、ENEOS(横浜市)と対戦する。山口監督は「強豪で大きな壁になると思います。粘り強く戦ってその壁をぶち破りたいです」と力強く話した。