決勝の始球式に、東京オリンピック(五輪)の侍ジャパンで金メダルを獲得した広島の栗林良吏投手(25)が登場した。

昨年まで所属していたトヨタ自動車(豊田市)の背番号14のユニホームで、首から東京五輪の金メダルをかけてマウンドへ。投球は、高めに抜けた。ファンからの拍手に、帽子をとってあいさつをして引きあげた。

スタンドには、侍ジャパンの監督に就任した栗山英樹監督(60)の姿もあった。栗林は「すごい緊張もあったので、なかなかいいボールを投げられなかったけど、無事に終えられてよかったです」とほっとした表情で振り返った。久しぶりのトヨタ自動車のユニホームには「やっぱりなじみがある。袖を通して、ワクワクした。初心に帰るような気持ちになりました」と明かした。

栗林が初めて都市対抗に出場した19年は、JFE東日本(千葉市)に敗れて準優勝。その大会の決勝では、元中日監督の落合博満氏(68)が始球式を務めた。その思い出があり、今大会の始球式のオファーを受けた際に「最初は、自分でいいのかなと。僕が1年目の時は東芝のユニホームを着た落合さんが始球式をされて、日本の全員が知っている偉大な方がやるところを、現役でプロ1年目で、何も結果を出していないのに、やっていいのかなというのがありました」と振り返った。

プロ1年目の今年は、守護神としてフル回転。東京五輪でも全5試合に登板して金メダル獲得に貢献した。「都市対抗は、社会人野球をやっている選手たちが一番優勝したい大会なので、自分も応援している。選手には頑張ってほしい」とエールを送った。