南海、ヤクルト、阪神、楽天で指揮を執り、昨年2月11日に84歳で死去した故野村克也さんをしのぶ会が11日、神宮球場で行われ、関係者約600人が参列した。古田敦也氏(56)が、弔辞を読んだ。

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全文は以下の通り。

 

監督、監督が亡くなられてから結構な時間がたちます。もうすぐ2年になります。ここに来て監督の映像や写真を見ると、心の整理はつけてきたつもりですけど、やはり寂しい気持ちになります。本当に残念です。僕は1990年から9年間ご一緒させていただき、ご指導いただきました。その指導というものは、時に厳しく、時に厳しく、そしてずっと厳しい指導でした。ただ、選手たちは監督に認められたい、監督が求められる選手になりたい一心で必死についていき、成長することができ、そしてスワローズが強くなったと思います。本当にありがとうございました。

監督とはいろんなお話をして、たくさん思い出があるんですけど、印象に残ったのは、人の人生は短いと。一生というのはあっという間なんだから価値あるものにしないといけない。そういうことをおっしゃられていました。先ほど映像でもありましたが、その価値、人生の価値はやはり人を残すことだと、何度か我々にもと説いていただきました。くしくも今年その教え子でもあります高津監督率いるスワローズと、矢野監督率いるタイガースが優勝争い。セントラルリーグの最後まで盛り上がりました。そしてスワローズは日本シリーズでも勝ち、日本一をとりました。また、東京オリンピック金メダルを獲得した侍ジャパンの稲葉監督も野村監督の教え子です。彼らに代表するように、プロアマ問わずたくさんの、監督から薫陶を受けたそのときの選手たちが今指導者として多く残っています。我々残った者は、その監督の思いをしっかり引き継ぎ、これからも球界発展のため尽力していきたいと思っております。監督、本当にありがとうございました。

令和3年12月11日、古田敦也

 

▽ヤクルト池山2軍監督(野村氏に)「野村野球=準備野球が一番土台。その中でたくさんの野球を言葉にされた方。そういう言葉は、自分の土台になっています」