甲子園男が虎に来た! 阪神ドラフト6位の日立製作所・豊田寛外野手(24=国際武道大)が11日、大阪市内のホテルで球団のドラフト指名選手では大トリで仮契約を結んだ。契約金3500万円、年俸800万円。「開幕1軍を目指して1年間1軍で試合に出たい」と宣言した。

聖地の申し子だ。東海大相模では2、3年夏に甲子園出場。初戦敗退の2年夏から全国制覇した3年夏まで、甲子園では6試合連続安打中。通算25打数9安打で打率3割6分、15年夏の決勝では5打数4安打3打点の大暴れで優勝に貢献した。満員の甲子園で意識したことは「特にない」と返答する強心臓に、名門でもまれてきた自信が漂う。

対戦したい相手には高校同期の中日小笠原を挙げ「やっと同じ舞台に立てたんで、あの2人よりも活躍できたら」と気合十分。同じく高校同期でオリックスのリーグ優勝に貢献した吉田凌との対決も心待ちにした。

前年のドラフト6位は中野で、下位指名から遊撃レギュラーを奪取した。2年連続で出世順位にできるか。「積極的な走塁は自分の持ち味。しっかり生かしていきたい」。走攻守そろった即戦力の右打ち外野手が、定位置争いに割って入る。【中野椋】

◆豊田寛(とよだ・ひろし)1997年(平9)4月28日、神奈川県横浜市生まれ。川上北小時代に戸塚アイアンボンドスで野球を始める。名瀬中では戸塚シニアに所属。東海大相模では2年と3年夏に甲子園出場し、3年夏は4番で全国制覇。決勝の仙台育英戦では佐藤世那(元オリックス)から4安打3打点をマークした。同年U18日本代表に選ばれ準優勝。国際武道大では1年春からベンチ入り。2年春から4季連続リーグ優勝。外野手でベストナインを4度受賞。177センチ、85キロ。右投げ右打ち。

 

○…豊田は阪神球団トレーナーの診察を受け、「左ふくらはぎの軽度の筋挫傷」と診断された。11月30日の都市対抗初戦のヤマハ戦で右翼へ2ランを放った際に両足がつり、直後の守備から交代。2回戦は欠場し、社会人野球を終えていた。「球団のトレーナーの方と相談して、やっていきたい」。当面は故障からの回復が最優先になりそうだ。