ソフトバンク甲斐拓也捕手(29)が初めて全試合に出場した。内訳は先発出場137試合、途中出場6試合で、全試合マスクをかぶった。

2リーグ制後、捕手として全試合出場は18年田村(ロッテ)以来12人、23度目だ。失策は8月24日西武戦の1回に記録した二塁への悪送球しかなく、守備率が9割9分9厘。パ・リーグ捕手初の3年連続守備率1位をマークした。過去に全試合出場捕手の最少失策は75年大矢(ヤクルト)95年古田(ヤクルト)の2個。全試合マスクをかぶって1失策は最少となり、守備率1位は75年大矢に次いで2人目だった。

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盗塁阻止率も1位の4割5分2厘。18年の4割4分7厘を上回る自身最高で、守備率と盗塁阻止率の両部門で1位に輝いた。今季はセ・リーグでも大城(巨人)が両部門1位を記録したが、大城の捕手出場は111試合。2リーグ制後、全試合出場捕手の盗塁阻止率1位は03年城島(ダイエー)以来6人、7度目で、初めて全試合出場捕手が阻止率と守備率のダブル1位を達成した。甲斐がマスクをかぶったイニング数は1164回1/3。チーム1255回1/3の93%を占め、リーグ1位のチーム防御率3・25を導いた。肩、守備、リードと、全試合出場した甲斐が防御面で完璧な数字を残した。

打撃では2年連続両リーグ最多犠打を記録した。20犠打以上は5年連続5度目。20犠打以上の連続記録は89~97年川相(巨人)の9年が最長で、5年以上続けたのは14人、15度目(捕手は2人目)になる。7月11日オリックス戦の8回にスクイズを決め、これでスクイズも5年連続でマーク。内野安打になったバントを含め、5年間でスクイズを12度成功させている。【伊藤友一】