脳腫瘍と闘う人々の力に、少しでもなれば-。オリックス山崎福也投手(29)が脳腫瘍の患者と家族を支援する。「僕も小さい頃、病気になった経験がある。(脳腫瘍で)苦しんでいる人を少しでも助ける活動がしたいと思っていました」。18日、来季から登板1イニングにつき1万円を寄付する考えを明かした。

08年3月21日-。中学3年だった山崎福は、札幌の手術室で目をつぶった。およそ6時間に及んだ脳腫瘍の手術。「高校に入る直前だったので、ある程度コトの重大さが理解できてました。正直(死を)覚悟しましたね」。

手術直前の心境は「野球が大好きだった。なんとしても野球を続けたい気持ちでした」。医師に生存率10%と言われた病から「奇跡の生還」を果たした。日大三-明大と野球エリートの道を歩み、オリックスには14年ドラフト1位で入団した。病を克服した今も年1回の定期検診を欠かさない。

実体験があるからこそ、話せることがある。「もちろん、本人はつらい。ただ…親御さんも。お父さん、お母さんを見るとつらいなと思いますね」。プロ入り前から、脳腫瘍の患者とその家族を励まし続けた。高校生のときから手紙をもらったり、実際に病院に行ったりしたこともある。

「一番記憶に残っているのは…静岡の方なんですけどその子も頭の病気だった。(山崎福の)ストーリーを知ってから野球も始めてくれて。今でもオリックスのファンで応援してくれている。僕も、その子のためになりたい」

プロ7年目の今季は先発ローテに入って自己最多の8勝をマーク。イニング数はキャリアハイの116回1/3を投げた。来季、さらに奮闘する理由ができた。【真柴健】

◆山崎福也(やまさき・さちや)1992年(平4)9月9日生まれ、埼玉県出身。日大三3年春の甲子園で準優勝、明大では通算20勝。14年ドラフト1位でオリックス入団。15年6月5日の中日戦で初勝利。今季はキャリアハイの8勝を挙げた。父は元巨人、日本ハム捕手の章弘氏。188センチ、95キロ。左投げ左打ち。

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