ポテンシャルがあふれ出る。19年ドラフト1位右腕の巨人堀田賢慎投手(20)が、右肘のトミー・ジョン手術を経て、芽を出そうとしている。最速はプロ入り前の151キロから4キロ上がり、155キロに到達した。浮き上がるような軌道を描く直球を武器にする。

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今季、非公式戦の3軍戦とみやざきフェニックス・リーグで計6試合に登板。直球を中心の組み立てで10回無失点14奪三振と才能の片りんを見せた。「真っすぐだけでも勝負出来ているなと思う」と手応えも感じている。実力を認める先輩も多い。大竹巡回コーチ・トレーニング統括補佐は引退会見で「とてつもなくいい球を投げる」と名指しで称賛。エース菅野も実力を認めている。

入団直後の4月に手術。以降はリハビリの日々が始まった。公式戦の登板経験はない。来季は高卒3年目。同学年のロッテ佐々木朗、ヤクルト奥川、オリックス宮城らの活躍を横目に、歯を食いしばってはい上がってきた。「シンプルにすごいと感じるけど、負けたくない気持ちもある」。未来のエースのプロ野球人生はまだ始まったばかりだ。【巨人担当=小早川宗一郎】

◆堀田賢慎(ほった・けんしん)2001年(平13)5月21日、岩手県生まれ。青森山田では甲子園出場なし。19年ドラフト1位で巨人入団。20年4月に右肘靱帯(じんたい)再建術を受け、オフに育成契約。今年8月に実戦復帰。185センチ、84キロ。右投げ右打ち。