悔しさをバネに、目標のプロ入りをかなえる。東京6大学野球の慶大は20日、年内最後の練習を終えた。新チームで主将を務める下山悠介内野手(3年=慶応)には「あの打席は一生忘れられない」と振り返る、1カ月前の打席があった。

年間4冠(春、秋リーグ戦、大学選手権、明治神宮大会)達成に王手をかけた、明治神宮大会決勝戦。8-9と1点ビハインドで迎えた9回2死一、三塁。一打逆転の場面だったが定位置横の右飛に倒れ、旧チーム最後の打者に終わった。

だからこそ、次は外野の頭を越す打球を。1年春からメンバー入りする下山は「3年間の経験で、ミートする打撃は確立できたかなと。力強い打球を打つために、スイングスピードを速くしたいです」と、この冬はパンチ力を高める。現時点でスイングスピードは143キロ。振り込みやフィジカル面の強化で、最終的には150キロ越えを目指す。

ラストイヤーは「主将」と「プロ入り」の両立に挑む。「行動や姿勢でチームを引っ張っていきたいです。プロを目指していますし、両方全うしたいです」と力を込めた。堀井哲也監督(59)は新主将を「(過去の主将たちも)練習量はすごいけど、さらに上を行く」と一目置く。背中で語る男が、チームをけん引していく。