日本ハムの春季キャンプ地沖縄・名護が、BIGBOSSフィーバー襲来へ備え慌ただしくなっている。全国的に注目度の高い新庄剛志監督(49)の指揮官第1歩。2年ぶりに有観客開催となる見込みで、同市では駐車場の拡張など対応に追われている。一方でコロナ禍により観光客が激減しており、大打撃を受けた施設はV字回復に期待を寄せた。

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来年2月のキャンプインまで約1カ月。タピックスタジアム名護の周辺は、すでに慌ただしい。新庄BIGBOSSのユニホーム姿は12球団を通じてもキャンプ最大の注目事項だ。報道関係者はもちろん、2年ぶりの有観客開催で、多くのファンが駆けつけるのは必至。名護市の担当者は「ビッグボスの影響力を考えると、すぐ満車になる可能性が高いので、300台ほど収容数を増やす工事をしています」と、現在500台ほどの収容台数がある駐車場を拡張している。

現役時代のBIGBOSS、そして斎藤や大谷など、同市は過去にもフィーバーを体験している。しかし17年~19年に球場を全面改修し、ブルペンの場所なども以前とは大きく変わった。同担当者は「安全にキャンプが進められるよう、市としてできることを検討しています」と、駐車場だけに限らず、見学場所や選手、ファンの動線など、一から見直している。

市職員は大変だが、一方で期待の声も大きい。球場から車で約15分の距離にある「道の駅許田やんばる物産センター」は、売り上げ回復に期待を寄せている。同所は、世界的な旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」から「旅好きが選ぶ! 日本人に人気の道の駅ランキング」で19年、20年と2年連続で第1位に選ばれた。しかし、コロナ禍で売り上げは、前年の約半分まで落ち込んでいる。

金良宗貴駅長(29)は「ビッグボスの集客力で、コロナ前よりも、売り上げが増えてくれたらありがたい」とV字回復を切望。例年キャンプの際は、スタッフが日本ハムのユニホームを着て接客しており、球団グッズも販売している。「来年は、何か新しいこともできないか検討中です。ぜひ、ビッグボスも来店していただければ」。同市全体で、BIGBOSSフィーバーを待っている。【小林憲治】