初夢は日本シリーズ関西ダービー! 阪神糸井嘉男外野手(40)、オリックス吉田正尚外野手(28)による新春対談が実現した。球界の超人軍団を形成する2人は夢の関西ダービー、新庄BIGBOSS、佐藤輝、極上の打撃論に至るまでぶっちゃけトークを展開。背番号にちなんで7つのテーマについて語り尽くした。【取材・構成=桝井聡、真柴健】
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【阪神糸井嘉男&オリ吉田正尚対談1】今年こそ日本シリーズ関西ダービー!
【阪神糸井嘉男&オリ吉田正尚対談2】新庄ビッグボスで日本球界盛り上がる
<5>佐藤輝明
吉田 すごかったですよね。西武戦ですか? 3発、打ったの。独特ですよね、振りが。遠心力なのかな。
糸井 ブーン、みたいな。思い切り振ってないみたい。
吉田 打球が落ちて来ない。ホームランバッターの軌道。
糸井 キャンプ初日から、ちょっとこれはやばいなと思った。
吉田 ほんとに(宜野座球場の)バックスクリーンを越えたんですよね?
糸井 マジ。あっこ越えるのはおらんで。で、そのまま練習試合、オープン戦と打ちまくって、これはちょっと、えげつないぞと。シーズンもスムーズに入って。後半からちょっと別人になったのが、気がかりなんやけどね。オレにとっては大学の後輩やし、なんかちょっとかわいいところあるし。ふてこい(関西弁で無愛想)顔してるけど(笑い)。新人離れしている度胸あると思う。かわいいよね。ももクロが好き。正尚から見ても、輝の打撃エグかったやろ?
吉田 大学4年の時とか、コロナであまりプレーできてないし、トレーニングも難しかったはず。それでプロ1年目で対応して24発。普通にいってれば2割8分、30発いけた。最後は失速しましたけど。あとは疲れだったり、体力。プロは143試合とオープン戦を含めたら、試合かなりあるんでね。慣れもありますからね。
糸井 見えへん疲れね。捉えとったのが、捉えられへんようになっとった。このオフ、しっかりやることが大事だと思う。自分自身が気づいた点いっぱいあると思うよ。
吉田 守備はどっちがいいんですか?
糸井 誰が見てもサードでしょ。ゴールデングラブ取れるよ。オレがこんなん言ったらまずいですけど、大山さんいるし(笑い)。
吉田 そうか、ポジションがかぶるんか。
糸井 しかしサード、やばい。まじでやばい。ハンドリングもな。勘がいるもんな。そりゃサードやらしたいという理由が分かるよ。絶対、ゴールデングラブ取る!
吉田 宗もそうですよね。もともとショートでセンターやって、サード来て守備で打撃も乗ってきたし、サードやってた方が集中力が違うらしくて。もしかしたら輝もサードやって変わるかもしれないですよね。
糸井 マジでうまい。肩もいいもんね、安定してる。
吉田 やっぱ完成形はギータさんじゃないですか? やっぱり、30、40本。
糸井 そやね。40本はいくんちゃう?
吉田 盗塁も30盗塁して。完成形はそっちやと思います。今までにないようなスケールの。
糸井 それで率もバンバン残すっていうね。
吉田 日本の野球もデータ野球でとことん来ますし、最後は同じやられ方をしてた。だからそれが克服できたら次のまたステップにいくと思います。
<6>超人軍団
糸井 いやぁ~! もう見て。名実ともに。BIGBOSSじゃないけど、BIGSTAR! 2年連続首位打者やし、すごい。成長というか、1年目から見てたけど、打球やら捉えるインパクトも全然違う。案の定、こうなりました(笑い)。こんなにパーフェクトマンはおらんでしょ。ちょっとずば抜け過ぎ。なんで三振せぇへんの? 全然、教えてくれへん(笑い)。輝には教えるらしいわ! 輝も正尚の話したら、すごく食いついてくるし。
吉田 糸井さんは、1年目に一緒にプレーして、プロ入った瞬間、スターだった。6年連続ですか? 3割。3割を毎年打つのは、3、4人出るか、出ないか。そこで数字が安定していた。三振しないのも。糸井さん、出塁率が高かったので。そういうところも見てました。自主トレも一緒にやらせてもらって。
糸井 だいだい自主トレを一緒にしたら、オレのことを抜いていく。おーーい!って(笑い)。ギータもそう。
吉田 1年目からスター選手とできたというのは、糸井さんがやってくれていたから。そこについていった。トレーニングも僕らの倍以上でガンガンやっていた。ちょっとおかしいなぁと。
糸井 やっぱり今、自分が若手やったら正尚と一緒にやりたいと思うよ。絶対、近くで見た方がいいと思う。
吉田 僕も今年、初めて(他球団の後輩と)やるんですけど。やっぱり、お願いしてきてくれているから、ちゃんとせなあかんなと。それも経験。ある程度、他チームの選手を預かるというのは、責任もある。この出会い、縁ですし、頑張ってほしい。僕も糸井さんとやって、活躍して恩返しじゃないですけど、できたらいいなと。交流を持つのはいいことだなと思います。
<7>弱点
糸井 弱点…。
吉田 糸井さんはインハイでしょ
糸井 おい!
吉田 やっぱりでかいんで。
糸井 来るやないか!(笑い)
吉田 僕はもう回転がやっぱり室伏さんに教えてもらった回転なんですよ。軸回転。歩幅を広げると回転も遅れるので、インハイは。ステップが広がると回転が遅れる。インコースは。コマのようにくるっ、くるっと。
糸井 ステップは、やっぱり広げないようにしてる?
吉田 インコースはくるっと回るようにしてます。足を上げたと同時に回すくらい。インコースは攻められますね、調子いいときこそ。輝もそうですよね。でかくて。
糸井 かわいそうになるわ。また構えたでって。バッターもそこばっかやったら、やけくそになるやん。
吉田 そうですね、それで次フォークとか本当にドツボにはまるんで。
糸井 正尚は…弱点、なんやろ。パーフェクトマンやん。
吉田 いやいや。
糸井 肩!
吉田 肩、足…。
糸井 内野安打の時、走ってるやん、腕振ってな。
吉田 一塁までは結構好きなんですけど、走るの。二塁から三塁からは遅いですねってよく言われます、帰って来るとき。なんかあるんでしょうね、得意不得意が。
糸井 12月に手術したって、もう歩けるん?
吉田 三角骨(摘出手術)ですね。クリーニング手術だったんで。両足をして、右足はちょっと削ったんでまだ炎症はありますけど。
糸井 いらん骨があるっていう。
吉田 邪魔するんですよね。けっこう多いですね。西武の平良君もやってるし、毎年まあいろいろありますよね。原因はすぐ取りたいタイプなんで。腰のヘルニアも取ってから良くなってんで。
糸井 そうやったんや。
吉田 シーズン中にどこか痛いというのはストレスですよね。
糸井 まあみんなある程度あるよね。やっぱり長いシーズン。
吉田 糸井さんなんて年重ねてもすごいですよ。
糸井 痛いところだらけや。
吉田 いやー想像できないです。40歳までプレーするなんて。10年後なんですけど、なんかできないです。どんなんなるんやろ。
糸井 でも正尚は大卒で入ってすぐ活躍したから。オレはピッチャーやって、ブランクというかそういうのがあるので。そんな長いことやってるイメージはないですけど。まだ勉強してるんですよ。でも、結果残さないとすぐ切られる年齢なので、アスリートの世界は40歳には厳しいですよ。