初夢は日本シリーズ関西ダービー! 阪神糸井嘉男外野手(40)、オリックス吉田正尚外野手(28)による新春対談が実現した。球界の超人軍団を形成する2人は夢の関西ダービー、新庄BIGBOSS、佐藤輝、極上の打撃論に至るまでぶっちゃけトークを展開。背番号にちなんで7つのテーマについて語り尽くした。【取材・構成=桝井聡、真柴健】

    ◇    ◇    ◇

【阪神糸井嘉男&オリ吉田正尚対談1】今年こそ日本シリーズ関西ダービー!

【阪神糸井嘉男&オリ吉田正尚対談3】佐藤輝明は三塁でゴールデングラブ

<3>オリックスが25年ぶりパ・リーグ制覇

糸井 いや本当にすごいいいチームというか、ピッチャー、バッターいいチームになったんちゃうかなって勝手に思ってる。もともとピッチャーは先発中心にそろってたけど、バッターの方も杉本の成長であったり、宗、福田の固定できたのもあるし、そういうメンバーが1年間、出続けられたっていうのは。今までは正尚におんぶにだっこっていうイメージがあったけど、それをカバーできたりっていう他の選手がすごい成長したっていうイメージあるよね。あと絶対的エース。山本エグいな。

吉田 由伸と宮城で、あの2人で貯金20以上で。22かぁ。

糸井 すごいな! まだ若いのに。

吉田 あの2人で22貯金したってことですから、あの2人で引っ張ってくれたシーズンでした。やっぱり今までは由伸の試合で結構ひっくり返ったりだとか、ちょっとあまり勝ち運がない、なかなか助けられなかった。2桁も去年が初めてなんで。

糸井 え!? そうなん?

吉田 そうなんです。なかなか勝たしてあげられなくて、防御率は良かったんですけど。今年はなんとか援護できてよかったです。お互い助け合いでいい方向にうまくかみ合ったかなと思うし、あと、監督が代わって糸井さんも日ハムで一緒にされていた。

糸井 中嶋BOSS(笑い)。

吉田 ちょっとハムの体制というのもありましたし、若手を使いながらTさん、安達さんのベテランが引っ張ってくれて。水本ヘッドもポジティブな言葉で失敗を恐れずにっていう雰囲気っていうんですか。今までこうダメやった時にズルズルいってたんですけど、すぐ切り替えたり。勝っていくごとにその雰囲気も勝ちグセというかついていきながら、あっ、また勝ったみたいな。なんか負ける時ってここ落としたらアカンやろってところを逆転されたりとか、今まであったイメージなんですけど、勝ち切れるというか。シーズン、交流戦くらいからですかね。乗ってきたんじゃないかなと。

糸井 逆転といえば日本シリーズ最初の試合。(吉田正のサヨナラ打で)ツイートしてもうたやん。あれもう興奮するやん。

吉田 オリンピックもけっこう見てくれてたんですか?

糸井 見てたよ。

吉田 朝と間違えたんですよね、時間。

糸井 間違えてたよ…。なんで日本でやってるのにって。(五輪は時差がある)衛星放送のイメージがあったから。あっ日本やん! って(笑い)。

吉田 シビれましたね。日本シリーズも初めて出ましたし。やっぱりいい舞台というか。

糸井 絶対そうやんな。

吉田 日本シリーズのあの緊張感は…。

糸井 それでまたチームがひとつになって。

吉田 そうですね、CS、日本シリーズは見てる立場じゃなくて出てる立場になって。いいなって、またやりたいなと。よかったですね。

糸井 うらやましかったよ。テレビの解説行って。めっちゃ寒かったけど(笑い)。野球やったらアカンで。

吉田 観客の方もすごいなって。動いてる方でも寒いのに。

糸井 スキーウエアみたいなん、まとってる人おったで。

吉田 正解っすね(笑い)。そういうのも経験できて、なかなか11月後半まで野球することってできないことですし。

糸井 (右手首骨折は)まだ治ってなかったやろ?

吉田 そうですね。まだなかなか実際にパフォーマンスは出せなかった。その舞台に立たしてもらったのはすごい感謝です。

糸井 (イニング間の)ジョーンズのライトのキャッチボールすごいかっこええなぁ。

吉田 積極的に来ますからね。5回くらいから出てきて体を動かしてたんですけど、最後代打の成績よかったっていうのもあったんで。なんか腐らずというか今まで絶対レギュラー選手だったのに。で、グラウンドでキャッチボールして。

糸井 やってみよ。ピッチャーのキャッチボールしたろかな。ベンチ前の。

吉田 いいですね、新しい。(ジョーンズは)プライドとかは捨ててないと思うんですけど、チームに献身的にそういう積極的にキャッチボールにいったりだとか。やっぱ余裕がある分だと思うんですけど、チームにも士気だったり、落ち着いていけたんではないかなとジョーンズのおかげみたいなのはあると思います。

糸井 いやー、ほんまにオレらも優勝が見えていたんでね。

吉田 前半すごかったですもんね。

糸井 いやーほんま、強すぎてオレ寝てたもんな(笑い)。

吉田 寝てたんすか?

糸井 寝てた。

吉田 サングラスの下で?

糸井 まあ目指しているところにやっぱりいき切れなかった感じが、チャンスがあったけど。やっぱり元いたチームはみんなね、若い子が活躍できた意味では本当にうらやましいというか、いいなって思った。日本シリーズとかやっぱああいうところで辞める前にやりたいなと。自分は代打っていうのが多くなってきたけど、ヤクルトの川端君とか見ててもスタメンだけじゃなしに代打でもいいところとかでね、で、ワッショイって。

<4>新庄BIGBOSS

吉田 単純にですけど、盛り上がりがすごそうですね。敵チームですけど、BIGBOSSの影響で球場にね。ビジターでもたくさんお客さんが入りそうですね。パ・リーグが盛り上がって、日本球界を盛り上げてと。本当にその通りだと思いますね。

糸井 現役のときも(同じチームで)ちょっとやらせてもらいましたし、その時のイメージから、誰もできないことをやらはるんで。何するんかなと興味あるよね。でも意外とああ見えて、野球のこと詳しいですし、すごく考えてはるんかなと。そりゃあね。やっぱりすごいのはあの守備でしょ。でも、ホームランも30発近く打ってたりしてた。札幌ドームで。守備はもちろんやけど。

吉田 僕は映像でしか見たことはないんですけど、球際だったり強いですね。

糸井 あとやっぱり、人によってポジショニングをめちゃくちゃ変えていた。普通はコーチの指示で動くけど、全部、センターの新庄さんが指示を出してた。

吉田 新庄さんがサイン出してたんですよね?

糸井 そうそう。

吉田 センターからサインを出して、キャッチャーに伝える。面白いなぁ。野球勘がずばぬけているんですね。

糸井 オレは万波中正、注目ですね(笑い)。どういう風な戦いぶりになるか、興味ありますし、ホンマに楽しみやね。