日本ハム伊藤大海投手(24)の2年目は「攻」めまくる。6日、2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で自主トレを公開。雪が降り始めた午前中にグラウンドでダッシュなどを行い、22年シーズンを本格始動させた。目標の初タイトル獲得へ、今オフは「骨の髄まで感じて投げる」というテーマで妥協せずにレベルアップ中。今年も初詣の際に大吉が出るまでおみくじを引き続け、攻めの姿勢で新たな境地を切り開く。

   ◇   ◇   ◇

外野フェンス沿いをダッシュする伊藤の上空から小雪が舞い始めた。気温1度の鎌ケ谷で迎えた2年目の本格始動。グラウンドで約1時間のトレーニングを終えると、今季の目標の1つとして「最多勝、取りたいですね。たくさん勝ちたい」と、よどみなく言った。昨季は10勝。今季は誰よりも勝つことを追い求めている道産子右腕に、幸先よくたくさんの“白星”が降り注がれた。

迷いなく、色紙にペンも走らせた。「攻」。今年の意気込みを漢字1文字で表現した。

伊藤 自分自身、投球で攻めることはもちろん、もっともっと高みを目指していく中で守りに入ることなく、いろんなことに挑戦したい。それを攻めると捉えて、やっていきたい。

今オフのテーマは「骨の髄まで感じて投げる」。独特な表現だが、目指す姿は「体の軸から、しっかり投げることでバランスも大きく崩れないと思う。ケガ予防にもなると思うし、それくらい繊細にやっていけたら」と、かみ砕いて説明した。

昨季の課題を克服すれば、もっと高く飛躍できると確信する。「去年の後半、本当に疲れも出てきたところで、がむしゃらに投げていたところもあった。それだと、もったいない」。だから、骨の髄まで余すところなく体を使って効率よく投げる。無駄を省くことで、球数もイニング数も増やせれば、チームを勝たせる投球も確実に増えていくはずだ。

伊藤 小さいことから妥協することなく、攻めて挑戦し続けて、それが最終的にすごく大きいものになればいいかなと。それが、今年の思いです。

年始の初詣は昨年に続いて、大吉が出るまでおみくじを引き続けた。1年前は14度目で引いた大吉だが、今年は「5回目で大吉出ました!」。その大吉には「人に尽くせ的なことが書いてあった。人に尽くした分、返ってくるみたいな。2年目で少し余裕もあるので周りを見ながら、チームのこと考えながらやっていければ」。チームを背負う自覚と責任を持って、2年目の伊藤はアグレッシブに突き進む。【木下大輔】

【関連記事】日本ハムニュース一覧

○…伊藤が釣り三昧で2年目へ向けた英気を養った。地元の北海道・鹿部町で過ごした年末年始は「ずっと釣りをしていました」。大みそかには2・1キロのアブラコ(アイナメ)を釣り上げた。使用したのは「ジャッカルのチャンクローっていうワームで釣りました。カニ系ですね」。自身のインスタグラムでも投稿して自慢した大物は「重さで言ったら、過去イチですね」と笑顔だった。