日本ハムのドラフト1位、達孝太投手(17=天理)が8日、憧れのダルビッシュがメジャーへ羽ばたく礎を築いた“聖地”に到着した。恩師の天理、中村良二監督(53)から贈られた特注スーツを着用し、財布には初詣2度目のおみくじで引き寄せた大吉を忍ばせて2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷にある勇翔寮へ入寮した。新庄剛志監督(49)から与えられた宿題にも取りかかっているスケール感たっぷりの194センチ右腕が、プロ野球人生のスタート地点に立った。

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新調されたスーツに身を包んだ達は、堂々と言い切った。「ダルビッシュさん、大谷さんらの後を追いかけていけるような選手になりたい」。メジャー志向を公言する右腕は制服ではなく、背広姿で到着した。「高校の監督につくってもらいました」と、昨年末に天理の中村監督からプレゼントされたオーダースーツだ。「監督の期待に応えられるように頑張りたい」。将来を見据えた指導を受けた恩師の思いも背負って、鎌ケ谷へやってきた。

目標実現への縁起物も持ち込んだ。「財布の中に入っています」と明かしたのは大吉のおみくじ。初詣で訪れた大阪の住吉大社で引いた。「おみくじの番号が16番だった」と、背番号と同じ吉兆に笑顔も、実は…「2回、引きました。最初は大凶だったので、あまり良くないなと。もう1回引いて大吉が出ました」。20年ドラ1右腕の伊藤は昨年、14度目で大吉を引いたことで有名。「知っています」とニヤリと笑った達は、大凶以外なら引き直さなかったが、見事に一発で狙った結果を手に入れていた。

入寮まではBIGBOSSから与えられた“宿題”にも着手していた。昨年12月の新入団発表の際に新庄監督から「あるほうが良いよ」と言われたのが変化球のツーシーム。「スライダーとは逆の軌道のボールも必要」と、試行錯誤中だ。

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寮の部屋には高校時代と同様にテレビは持ち込まず、エンゼルス大谷が愛用する治療器具などを持ち込んだ。野球と向き合う覚悟は決まっている。「早く北海道の舞台でプレーすることが一番。早めに、ここから出られるように」と決意し、プロ野球人生をスタートさせた。【木下大輔】