“進化”の時が近い。巨人中田翔内野手(32)が13日、沖縄・石垣島で自主トレ後、リモートで取材に対応。秋広優人内野手(19)ら後輩選手の食べっぷりに破産危機? を嘆きながらも、ハードトレーニングをみっちりこなす。飾らない素直な言葉で、今季の活躍を自信満々に宣言した。「シン・中田」がキャリアハイの31発超えと正一塁手奪取を堂々と狙う。

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中田は力強い眼光で言い切った。「今は自信しかない」。プロ14年間で築いてきた実績のその先へ。「新しいシーズンに入る。自分自身も、考え方も、新たな中田翔を作り上げていかないといけないと思っている」。進化する時がきた。

飾らない“中田節”がさく裂した。合同で自主トレする秋広、日本ハム姫野、ソフトバンク黒瀬ら後輩たちの食いっぷりに思わず自虐気味に嘆いた。「ちょっと破産しかけてる。年俸下がったんでね(笑い)。なんせみんな米をよく食べる。夜は20合くらい炊いている。もう…皆さん米を送ってください」と苦笑いを浮かべながら呼びかけた。

昨季は腰痛の影響も重なり、体重が12、13キロ落ちた。年末時点の92キロから17キロ増量して109キロまで戻した。下半身の粘りがきかず、手打ちになっていた反省を踏まえ「ねちっこいトレーニングというか、地味なトレーニングは、去年の倍近くは入れている」と下半身強化を見つめ直した。秋広も「階段を下りられなかったです」と嘆くほどの強度で鍛え直す。

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定位置奪取に燃える。中島、ウィーラー、秋広らとの一塁手争いへ原監督から「中田だって黙ってないでしょう」と奮起を期待される。「もちろん黙っているわけもないですし、その中で自分の名前を挙げていただいているのはありがたいこと。自分がやることを全力でやるだけ」と呼応した。かつて不動のレギュラーだった日本ハム時代とは異なる。「結果を残して、1日でも早くファンの皆さんに認めてもらえるようにまた一から頑張るだけ。性根据えてやっていきたいなと思います」。競争意識と危機感、その中で芽生えた自信。今年の中田はひと味違う。【小早川宗一郎】