巨人原辰徳監督(63)が「桑田コーチのススメ」で即戦力新人投手のキャンプ2軍スタートを決めた。20日、川崎市内のジャイアンツ球場でコーチ会議を行った。V奪回へ投手陣の整備が急務となる中、ドラフト1位の大勢投手(翁田大勢、22=関西国際大)、同2位の山田龍聖投手(21=JR東日本)、同3位の赤星優志投手(22=日大)の船出を2軍キャンプで切らせることを決めた。

指揮官は「焦る必要は全くない。ファームの方でゆっくりスタートしてくれる方を、我々や僕自身は望む」と悠然と構えた。状態に問題はない。コーチ会議後は、ルーキーのブルペン投球も視察。「五分六分ぐらいだろうけど、みんな元気がいい」とうなずいた。

桑田投手チーフコーチの進言もあった。同コーチは「僕は新人は2軍からスタートするべきだと思っているので、その意向は監督にはお伝えしました」と話した。新人にとって初めてのプロ野球のキャンプ。多くの視線が注がれる中でオーバーペースになりがちだ。まずは首脳陣がブレーキを踏み、環境に慣れさせる。

アピールは生存競争の中で必須だ。赤星は初の御前投球に「真っすぐだけだと(印象が)弱いなと。ツーシームを行った。今日は…アピールかましておきました」とアクセルを瞬間的に吹かせた。原監督も2軍でずっと熟成させるつもりもない。「桑田チーフがしっかりと、計画を持ちながらやっている。宮崎で一緒にやるので、いかようにでもできる。第1、第2クールぐらいで、であるならば実力主義だから当然上でということにはなる」と芽吹きを待つ。【広重竜太郎】