いくぞ2・5! チーム最年長の阪神糸井嘉男外野手(40)が28日、甲子園で自主トレを公開し、超速仕上げでの定位置再奪取へ意欲をみなぎらせた。屋外でキャッチボールやランニングを終えると、室内練習場で黙々と振り込んだ。約2時間体を動かした超人は「バッチリです。(状態は)99(%)です」。残りの1%を問われ「知らんよ。100がわからへんねん。ハッハッハッハッ」と糸井節で豪快に笑い飛ばした。
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2月5日に実施される見込みのキャンプ紅白戦に向け「もう出るつもりでやりますね。もちろん」と気合十分。これまでは実績や経験、故障などへの配慮もあり、初実戦は早くても2月下旬だった。「2・5」は17年の阪神移籍後最速だ。
対外試合初戦となる同8日の日本ハム戦(宜野座)に出場する可能性もある。新庄監督は日本ハム時代の同僚。昨年テレビ収録で宜野座を訪れた先輩から、「引退するぐらいの気持ちでやれ」とゲキを飛ばされた。出場が実現すれば、結果で恩返しする舞台も整う。
“軟体動物化”も着々だ。12月の契約更改交渉時に「軟体動物、目指します」と宣言。オフは股関節や胸骨の柔軟性を高めるべく、ヨガやピラティスにも挑戦し「俺、ふにゃふにゃやで」と笑顔。柔らかくなりすぎた影響か「投げ方変わったで。固めな」と笑わせた。
1月はオリックス吉田正と合同自主トレを実施。昨オフは右膝を治療していた影響もあり、2年ぶりにタッグを組んだ。2年連続パ・リーグ首位打者に学んだのは「柔」の大切さだ。「正尚は教えるのうまい。すんごい教えられた。『伸びしろえぐいっすね』って言われた。『全然(胸骨)使えてませんやん』って。すごく勉強になりました」。
昨季は初めて代打稼業に回ったが、定位置奪回への気力は衰えていない。外野に加えて一塁に挑戦する意思も明かしており、ローリングス社に発注したミットも沖縄に持ち込む。「僕の中で意図がある」とどこまでも貪欲だ。「寅(とら)年なので絶対に頂点を取りたい。ビールかけしたい」。41歳シーズン。もうひと花もふた花も咲かせて優勝に貢献する。【古財稜明】
糸井一問一答
-キャンプのテーマは
糸井 勝負の中に加わっていかないといけない。サバイバルなので、調整ではなく、フルメニューをこなして、チーム内でいい勝負できたらなと思います。
-昨年は代打が多かった
糸井 やっぱりスタートから出られるように勝負していって。いざ始まって、どういう立場になるかわからないけど、個々で役割を果たせるように、しっかりキャンプをやっていきたいと思います。
-最年長41歳のシーズン。若手たちに見せたい背中は
4糸井 1歳でも必死にキャンプから勝負かけてやっているような姿を、普通にやることなんですけど、見せられたらと思います。
-吉田正との合同自主トレに佐藤輝も参加。感じたことは
糸井 もちろん刺激は受けますよね。あいつのためにもなったと思うし、それは僕のためにもなる。
-近大の後輩とはいえ、佐藤輝はライバル。よくなってもらいたいと?
糸井 そういう「ライバルやから」みたいなのは、僕は全然ない。後輩ってのもあるし、見ていてやっぱりビッグになる男かなと思っているんで。あいつがそうやって言ってくるってことは、いいことじゃないですか。
<阪神で41歳シーズンに活躍した主な選手>
◆若林忠志(49年)43試合に登板し、15勝をマークした。兼任監督として、チームを引っ張った。
◆真弓明信(94年)代打の切り札として活躍。代打での30打点は現在もセ・リーグの年間最多。
◆金本知憲(09年)4月には1試合3本塁打を2度。21本塁打と91打点はチーム最多。
◆下柳剛(09年)ローテーションを守り8勝。5月には若林以来の41歳シーズン完封勝利。
◆福留孝介(18年)金本と並び、球団史以上最高齢での規定打席到達。打率2割8分と安定感を見せた。
◆能見篤史(20年)救援で34試合に投げた。最終戦で球団最年長セーブ。