先発復帰を目指す10年目の阪神藤浪晋太郎投手(27)が、沖縄・宜野座の先乗り合同自主トレ初日にブルペン入りし、直球中心に33球投げ込んだ。岩貞に続いて2番目にマウンドに立った右腕は、昨年に続き初日から本格投球をみせ「順調にやれています」とうなずいた。

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ノーワインドアップから放たれる威力抜群の直球に、捕手坂本のミットは何度も快音を鳴らした。坂本は「力強さもあるし、本人も『良い感じできている』ということは言っていた。良いんじゃないかなと思います」と太鼓判を押した。

投球練習の合間には「遊び半分で」と2種類の新球種を試投。1月に巨人菅野に弟子入りした際に伝授されたワンシーム、都内のトレーニング施設でたまたま居合わせたヤクルト石川から教わったシンカーで、意欲的な姿勢だったが「現時点でどうこうするつもりはないです」ときっぱり。「カーブだったり、遅めのスライダーを使えれば、十分幅が出てくると思う」と、新球より持ち球の変化球を磨くことに重きを置いた。

キャンプでは、18年にドジャース・カーショーから学んだカーブ、昨年もサークルチェンジに挑戦するなど、「学び」に貪欲な姿勢をみせている。完全復活へ、歩みを止めない。【古財稜明】

◆巨人菅野のワンシーム 最速は150キロを超え、打者の手元で微妙に動く。一般的にはボールの1本の縫い目(シーム)に人さし指、中指を挟むように掛けて投げる。多彩な変化球を操るダルビッシュも、持ち球の1つに加えている。

◆ヤクルト石川のシンカー 代名詞。速いものと遅いものを使い分け、それぞれが勝負球。昨年の日本シリーズでも光った。身長167センチながら“魔球”を駆使し、今月22日に42歳、21年目と息の長いプロ生活を送っている。通算177勝は現役最多。