広島ドラフト1位の黒原拓未投手(22=関学大)の実戦デビューは19日の巨人との練習試合(那覇)に決まった。

宮崎・日南市での1次キャンプ最終日の13日、佐々岡監督が明かした。昨季新人王の栗林が9回に君臨する「勝利の方程式」の7、8回は固まっていない。最速152キロの即戦力左腕が“第1戦”からセットアッパー争いに加わりそうだ。

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黒原はマスク越しでも見て取れる驚きの表情を浮かべた。佐々岡監督がドラ1左腕の初陣を聞かれ、「対外試合の2試合目」と明言。19日の巨人戦(那覇)になったと報道陣から伝え聞き、第一声で「びっくりしました。聞いたことなかったので」。しかし、丸くなった目はすぐに勝負師のそれに戻った。「できるだけ少ない失点で。もちろん無失点がいいが、1点取られても、1点で止めることが求められると思う」。

シーズンでも対戦することになる同リーグの巨人との対戦。練習試合とあって主力級が出場するかは不透明だが、少なからずデータは取られる。それでも左腕は「今まで自分がテレビで見ていた選手と対戦することになる。一流の打者の皆さんがいるので、今の自分がどこまで通用するか試したい」。小学1年で野球を始め、17年間の経験のすべてをぶつける。

佐々岡監督は10日に「真っすぐが力強く、リリーフでおもしろい。黒原が入ってくれたら(中継ぎの)層が厚くなる」と発言し、最速152キロ左腕をセットアッパー候補の1人として注視している。「プロデビュー戦」も中継ぎが濃厚。関学大4年春のリーグ戦では京大戦で3-1の9回2死からマウンドに上がり、胴上げ投手になった。先発、中継ぎとも経験は豊富。いよいよ広島のドラ1がベールを脱ぐ。【前山慎治】