広島佐々岡真司監督(54)が、DeNA戦で炎上した先発候補の両左腕に追試を課す考えを明かした。先発したドラフト2位の森翔平投手(24=三菱重工West)は3回1/3で6安打6四球4失点。3番手の玉村昇悟投手(20)は3回で5安打2四死球5失点。ともにキレも制球も精彩を欠き、ローテを確定させることができなかった。指揮官も落胆を隠せなかったが、次回登板での奮起を期待した。

【ニッカン式スコア】DeNA-広島詳細スコア

失点数以上に、指揮官の言葉は重かった。開幕ローテ入りを期待する若手左腕の2人がそろって炎上。結果だけでなく、若さが感じられない内容が落胆の色を濃くした。「今日の見た感じではちょっと、きつい。次はしっかりしないと、それ(開幕ローテ)に入ってこられないなという感じに見えますね。(次回登板で)ちゃんとしたところを見せないと」。3日先発の小林を含めた3投手で先発の残り2枠を競わせる方針は変えず、両左腕に追試を与えることを決めた。

先発した森は初回から打者9人に4安打と2四球で3失点。2四球を除く打者7人のうち、6人の打球が中堅方向とタイミングを合わされた。2回は3者凡退に抑えたが、3回は先頭への四球と連打から失点した。4回は3四球で1死満塁とし、3回1/3で92球、6安打6四球4失点。右打者の懐を突くクロスファイアも切れ味を欠き、持ち前の制球力も発揮できなかった。

3番手として6回から登板した玉村は先頭への死球と安打で無死一、三塁とされると、細川に2ボールからの3球目を左中間席に運ばれた。その後も毎回先頭打者の出塁を許し、3回で5安打2四死球5失点。球が高く浮き、カウントを不利にする場面が目立った。

両左腕ともキレと制球力を欠き、2人で8四死球。空振りも、森は92球中5個、玉村も72球中5個しか奪えなかった。絶好のアピール機会を逃した両左腕に佐々岡監督は「5番目、6番目の投手は全く出てきていないのが現実」と首をひねる。阪神2軍のコロナ禍により、来週8日からの教育リーグ3連戦(由宇)が中止となり、開幕前の実戦数も限られてきた。大瀬良、九里、森下、床田の先発4本柱がそろっているが、残り2枠は白紙状態。指揮官はローテ入りをつかみ取る快投を待ちわびている。【前原淳】

▽広島森(4回途中4失点)「真っすぐでファウルも取れず、差し込んだファウルも取れてない。ゾーンを狙い過ぎて後手後手になってしまった。チャンスをもらったら、しっかり準備して投球できるようにしたい」

▽広島玉村(3回5失点)「技術不足かなと思います。真っすぐはボール球が多いし、コースにも投げ切れていない。いろいろ試して、まずは真っすぐに自信を持ってコースに投げ切ることかなと思います」

〇…佐々岡監督は若手野手陣にも奮起を促した。6安打で1点しか取れなかった打線は5併殺でつながりも欠いた。週末から西川ら主力選手の合流を見込む指揮官は「若い選手が多いだけに、こういうチャンスを取らないと。今から2軍で出ている選手が徐々に調子を上げてきたら、チャンスはなくなる」と1軍生き残りへ猛アピールを求めた。