粘って快足を飛ばした。ロッテ高部瑛斗外野手(24)は6回2死二塁、オリックス山岡に対してフルカウントから3球ファウルで食らい付いた。11球目の内角スライダーを捉えた打球は、前進していた右翼手の頭を越える適時三塁打に。「前回粘って三振したので、絶対前に飛ばそうと。エース級の投手が出てくるので気持ちを高めてやれている」と充実感をにじませた。

【ニッカン式スコア】オリックス-ロッテ詳細スコア

2年目の昨季、イースタン・リーグ最多の28盗塁で表彰された。「今年はそれを1軍でやるって意味で、今トライしてる形です」と、前日まで対外試合10試合で9盗塁をマーク。この日は4回の中犠飛、6回の三塁打で2打点を挙げ、バットでもアピールした。

俊足外野手の壁は厚い。チーム内には昨季ともに盗塁王を獲得した荻野と和田に加え、藤原、岡がいる。長打力で圧倒するマーティンも来日済み。競争相手は多いが、ずっと2軍の帝王ではいられない。「1軍で今まで結果が出なかった中で、少しずつ数字が出てきたのはプラス材料。満足はしてないですけど続けていきたい」と、手応えをつかみつつある。

後輩も踏ん張っている。1番で出場を続けるドラフト2位、池田来翔内野手(22=国士舘大)は大学の2学年下にあたる。在学中から仲が良く、ユニホームが変わっても野球談議に花を咲かせる。「もちろん負けられないという気持ちもあるし。このまま一緒に(1軍で)できたらいい」。約3週間後、仙台でコールされる開幕オーダーに名を連ねたい。【鎌田良美】