阪神ブルペン陣が左腕不足の非常事態に陥った。球団が15日、及川雅貴投手(20)が右脇腹の筋挫傷で別メニュー調整になったと発表。登板した13日の巨人戦(甲子園)後に右脇腹に張りを訴え、兵庫県内の病院を受診。衝撃の診断を受け、開幕が絶望になった。

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矢野監督は「開幕は無理でしょ。やったものは仕方がない。本人が一番悔しいと思う」と厳しい表情を浮かべた。高卒3年目左腕はキャンプから先発に挑戦していたが、内容が伴わず、再びリリーフに回っていた。オープン戦は4試合、5イニング無失点。13日も最速150キロと力のある球を披露し、中継ぎ適性を発揮していた。昨季は救援で39試合に登板し、2勝3敗10ホールドと活躍。今季もフル回転が期待されていただけに、大きな痛手だ。

及川の離脱は、深刻な救援左腕不足を意味する。経験豊富な岩貞も左太もも裏を痛めて再調整中。奮闘中の渡辺は育成で、左の支配下選手は岩崎1人になった。先発は伊藤将、ドラフト3位桐敷の2人がいるが、2軍を見渡しても救援候補はほとんどが右腕。この日1回を0封した渡辺について指揮官は「左の中継ぎがなかなかいない中で、いい味を出してくれた」と高評価し、支配下登録&開幕1軍が現実味を増してきた。

右の中継ぎ陣も不安が残る。小野と湯浅は安定した成績で開幕1軍が有力だが、この日投げた小林、斎藤ともに不安定。ケラーが開幕に間に合っても、8回の岩崎にバトンをつなぐ中継ぎを整備できなければ、開幕から厳しい戦いとなる。【石橋隆雄】