西武ドラフト2位佐藤隼輔投手(22)がプロ初勝利を挙げた。筑波大出身の「国立の星」は日本ハムを相手に、5回4安打無失点。国立大から直接指名された投手は過去10人いるが、初登板、初勝利は初めての快挙だった。

試合前にはBIGBOSSがホバーバイクで空中浮遊するド派手なセレモニーがあった。テレビの映像で確認し「落ちたらやばいんじゃないか」と驚かされた。独特の空気感の中でのマウンドだったが、頭は冷静だった。「1巡目と2巡目で別の配球ができた」と序盤はスライダーを有効的に使い、中盤は直球を軸とした。右内転筋に張りが出た今井の代役として巡ってきた先発のチャンスをものにした。「素直にうれしい。0を並べることができた」と声を弾ませた。

ルーキーで2人が相乗効果を生む。3日前に7回1安打無失点で初勝利を挙げたドラフト1位の隅田とは大の仲良し。寮でもパワプロやスマブラで一緒に遊ぶ。「2人で1勝ずつできたのは、とてもうれしい。まだ始まったばかりだが、2人で2桁勝利を」と頼もしい。隅田からは「隼ちゃん」と呼ばれる。隅田のことは「チー君」と呼ぶが、「リスペクト精神を込めて、チーさん」とする時もある。昨季の西武は左腕勝利数が2勝だった。それが、まだわずか4試合。新人左腕が2勝を勝ち取った意味は大きい。【上田悠太】

▼新人の佐藤がデビュー戦を白星で飾った。西武新人の初登板初勝利は今年の3月26日、チーム2試合目に記録した隅田に次いで9人目。同一球団のルーキー2人がチーム4試合目以内に初登板初勝利は08年ソフトバンクの久米と大場以来で2リーグ制後6度目。隅田と佐藤はともに先発で、「初登板初先発初勝利」が2人は54年阪急の梶本と国頭、60年巨人の堀本と青木に次いで62年ぶり3度目。