日本ハム新庄剛志監督(50)が開幕6戦目で、ついに初勝利を挙げた。本拠地で投打がかみ合ったBIGBOSS野球を披露。球団ワーストタイとなる開幕6連敗を阻止し、メモリアルな1勝をつかんだ。

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39年前の“誤審”がなければ、BIGBOSSは誕生していない。日本ハム新庄監督は小学6年生の時に、人生の転機が訪れた。

当時から俊足で強肩。サッカー少年だったが、学校対抗のソフトボール大会に駆り出された。チームは決勝まで進んだが、最後はサヨナラ負け。決勝点は犠飛で奪われたが、ルールは分かっていた新庄少年は、審判に訴えた。「タッチアップしてない」。自信があった。でも、認められなかった。

泣きじゃくった新庄少年に、天命を決める声が聞こえた。「野球やるか?」。即答で「やる」。条件があった。「明日までに9人そろえてこい」と言われ、翌日に「9人そろいました」と結成されたのが、今も福岡市内で活動する「長丘ファイターズ」だ。

当時のコーチで現在は監督の植木和生氏(76)は「あいつは泣き虫だから、ずーっと泣いていて。そんなに悔しいなら野球やるか? と聞いた」と振り返る。

反骨心が野球人生の原点。気付けば、請われてプロ野球の監督になった。春季キャンプでも初日から選手に直接指導したのはタッチアップも含めた走塁。この日、試合を決定的にした7回の6点目は近藤の犠飛で奪った。何を言われても、必ずプロ野球を変える。BIGBOSSの旅路は始まったばかりだ。【日本ハム担当=木下大輔】