「新成人」の日本ハム根本悠楓投手(19)が、ほろ苦い大人の1歩を踏み出した。1日、オリックス1回戦(京セラドーム大阪)でプロ初先発したが、3回2/3を4安打、4与四球で1失点。高卒2年目の道産子左腕はプロ初黒星を喫した。

【関連記事】日本ハムニュース一覧

   ◇   ◇   ◇

戸惑いと反省に、19歳の心は支配されていた。プロ初先発の根本が、制球に苦しんだ。「実力が全然足りないなと思いました。自分の気持ちとか、実力不足」。1点を追う4回。2四球が絡み2死満塁のピンチを招いて降板。4安打1失点も計4四球が響いた。

あどけなさ残る表情が、動揺に包まれた。立ち上がりを突かれた。球が上ずった初回、四球と連打で1死満塁。警戒していた杉本に左前適時打で先制点を許した。最少失点で切り抜けたが、2回以降も毎回走者を背負うマウンド。「テークバックを少し気にしすぎちゃって、リリースポイントまでスムーズにいかなかった」と、投球フォームの乱れとなって表れた。

この日、改正民法が施行され、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられた。高卒2年目左腕の根本は、3月31日に19歳になったばかり。「ケガなく1年間、野球をしたい。10代は、いっぱい勝てれば」と抱負を話していた。3月25日の開幕戦では、リリーフでプロ初登板&プロ初ホールド。「いい手応えだった」と納得した後、首脳陣から先発切符を言い渡された。

白老白翔中3年時には、全国大会決勝で史上初の完全試合を達成。直後には札幌ドームの日本ハム戦に招待されたことがある。17年にはU15日本代表でアジア選手権Vに貢献。当時の投手コーチで、プロでも指導を受けている武田投手コーチからはこの日、「もっとストライクゾーンで勝負していかないと苦しい展開になる」と助言を送られた。

根本は「もう1度、自分のフォームからピッチングを見直して練習していきたいです」。まだ大人の階段を上り始めたばかり。大切に、成長への芽を伸ばしていく。【田中彩友美】