日本ハム新庄剛志監督(50)が試合前、3日オリックス戦(京セラドーム大阪)で自身初となった「申告敬遠」をした采配について語った。

振り返ったシーンは2-2の同点で迎えた8回裏の守備。マウンド上は百戦錬磨のベテラン左腕、宮西尚生投手(36)だった。1死三塁の場面で3番紅林幸太郎内野手(19)に対してカウント3-1となったところで、新庄監督は申告敬遠することを球審へ伝え、4番吉田正尚外野手(28)との勝負を選んだ。

その後、1死二、三塁となり、吉田正が放った二遊間へのゴロは前進守備を敷いていた二塁手の水野達稀内野手(21)が捕球しきれず、決勝の2点中前適時打となった。吉田正は試合後に、前打者が申告敬遠をされて自身との勝負を選択された記憶は「ないですね…」と話していた。

新庄監督は「あれは3ボール1ストライクになった時に、紅林君のインコースにいったやつがフラフラフラってポテンヒットになるのが嫌だったの。俺のイメージではね。そこで歩いてもらった。吉田君って申告敬遠されたことがない。その前の前(の打席)とかショートゴロとかゴロが多かった。宮西君の球のキレなら、ショートゴロかセカンドゴロになると思った。そこでホームで1つ取って、次の調子が上がってきていない(5番)杉本君でゼロで終わりっていうイメージだった。あれ水野君が調子が良くて打っていたら簡単に取って簡単にアウトにしていた。その辺を俺がセカンドとショートを変えても良かった。(遊撃を守っていた)石井君と水野君を。その辺は俺のミスだった。結果的には、あれでよかった。あれヒット?(記録は中前適時打)ヒット、あれ。あれエラーでしょと思った。でも、ああいうね、いいバッターに対して勝負させるという。あのバッターを抑えたら、次ああいう場面が来たらもっと気持ち楽になるし。吉田君、抑えたんだから、とね。そういうところの成長をさせたいという気持ちもあったし」と、意図を説明した。

結果的に敗戦投手となった宮西には感謝を伝えていた。「俺の思った通りに打たせてくれて、あれはもう本当に野手の、ちょっとプレーが思うようにいかなかったのに対して、素晴らしい投球をしてくれて『ありがとう』ということは言った。あれは野手がカバーしてあげないといけないプレーだった」。

吉田正の打球を捕球できなかったルーキー水野は4日に出場選手登録を抹消。開幕1軍を果たしたが、ここまで打撃でも無安打が続いていた。「水野君も、ちょっとああいうミスもあって、経験しなさいという。もっともっと。振りもね、キャンプの時とちょっと違う振りになってきていた。ヒットがほしい病なんですよ。だから、鎌ケ谷でヒットを打つ感覚だけ取り戻してくれたら。守備をガンガンさせてほしいというのもあったし。つながるんですよね。ああいうヒットが出ていないというのが、守備にもつながっている。その辺は俺がまた、どんどん勉強していかないといけないです」と、自らも反省しながら水野にも奮起を促した。