ソフトバンクが開幕8連勝を飾った。球団では南海時代の55年に10連勝して以来、67年ぶり。昨季のパ・リーグ王者、オリックスとの初戦に勝利。先発の石川柊太投手(30)がアクシデントで1回で緊急降板も、三森大貴内野手(23)がプロ1号の決勝3ランを含む4打点の大暴れ。チーム一丸で勝利のバトンをつないだ。

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一振りで暗雲を消した。0-2の2回2死二、三塁。三森がオリックス山崎颯の直球をとらえた。打球は右翼ホームランテラスへ。6年目のプロ1号が逆転3ランだ。「最高の結果になった。公式戦初ホームランというのはやはりうれしいですね」。口元に藤本監督と似たひげを蓄え、お立ち台でニッコリ笑った。

試合開始直後。ホークスベンチは慌ただしかった。先発石川が右足首のアクシデントにより、1回27球で緊急降板。2点を先制される不安な立ち上がりも、三森のメモリアルアーチでひっくり返した。珍しく感情をあらわにし、ほえる。「負けてましたし、その中で打てたのはうれしかった」。南海時代に10連勝を飾った55年以来、67年ぶりとなる開幕8連勝へ導いた。

山崎颯には、6年ぶりのリベンジを果たした。両者は16年3月25日のセンバツ1回戦で対決。青森山田の4番だった三森は、敦賀気比(福井)のエース、山崎颯に4打数1安打2三振と抑え込まれた。試合も0-1の完封負け。因縁の右腕からの1発に「同級生ですし、これからも戦っていく。ファンの方も喜んでくれていると思いますし、チームも勝てたのでよかったです」と満足げに話した。

4回にも右前適時打で1試合自己最多の4打点。打率3割3分3厘、出塁率4割4分4厘は、ともにリーグ2位。リードオフマンとして最高の仕事を果たしている。藤本監督も「1番の仕事をこなしてくれていると思います」と、うなずいた。

これで開幕から無傷の8戦8勝。ロケットスタートが止まらない。2年ぶりのリーグ優勝、日本一奪回へ最高の発進だ。三森が「連勝を伸ばせるようにチームに貢献していくだけです」と言えば、指揮官も「チーム全員で一丸となって戦っていきたい」と呼応する。勝率10割が輝かしい。【只松憲】

▼ソフトバンク 先発石川が右足の不調のため1回を投げ終えて降板した。1死二塁から吉田正に先制タイムリー二塁打を許すと、杉本、バレラに連続四球を与えたところでいったんベンチに下がり、マウンドに戻って2死を取った後に紅林に押し出し四球。2点を献上し27球で降板した。「後から投げる中継ぎの方、チームに迷惑をかけてしまった。申し訳ない」と石川。今後について試合後の藤本監督は「そんなに心配することはないが、明日次第です」と話した。

▼ソフトバンク 育成出身の5年目尾形が、うれしいプロ初勝利を手にした。先発石川のアクシデントで急きょ、2回から登板。先頭太田の二塁打と2四球で2死満塁のピンチを招いたがバレラを一ゴロ。続く3回も先頭に四球を与えたが無失点で切り抜けた。「準備はできていました。かなり球数を使って野手の方に迷惑をかけてしまった」。2イニング45球を費やし制球に苦しんだが、2回裏に三森の逆転3ランが飛び出しプロ初白星。「重い価値ある1勝と思います」。ウイニングボールは両親にプレゼントするといい、笑顔でポケットにしまい込んだ。

▼ソフトバンク田浦(4回を3人で抑え)「ストレートを中心にすべてのボールをストライクゾーンに投げ込むことができたと思います。いい投球ができました」