18歳5カ月のロッテ松川虎生捕手(市和歌山)が、20歳5カ月の佐々木朗希投手の完全試合を演出した。

ボール球の少ない奪三振ショーをリードし、打っても6回の3点適時二塁打で先輩を喜ばせた。若きドラフト1位バッテリーがいきなり偉業をやってのけ、ロッテの未来を照らした。

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松川にとっても初めての完全試合だった。「すごかったです」と目を丸くした。「本当にどんどんストライク取って、テンポも良く、打者に考える時間がなかったことがすごく良かったです」と、ともに作り上げた偉業を振り返った。

分水嶺(れい)は4回にあった。2死後、打席には“三振しない男”吉田正。内角へのカーブ2球で、さっと追い込んだ。佐々木朗は「松川のサインなんですけど」と明かし「ああいったところが次の打席に生きたりだとかしていると思うので、そこに本当に感謝しています」と口にした。この日3球投げたカーブのうち、2球が吉田正の打席。見事なゲームプランだった。

若いバッテリーはロッカーが隣同士だ。「松川は今日は何本打つやろうな、とか言ってくれるので。すごく気持ちは楽になりますし、本当に言った通りに打てることがあるので」。この日、6回2死満塁での3点適時二塁打も、あと1メートル高ければバックスクリーンへの満塁本塁打だった。ベンチ前で佐々木朗は「オーマイガー」ポーズをしながら喜んだ。2人がどんどん様になっていく。

松川を信じて投げた-。先輩のお立ち台での言葉もうれしかった。「しっかり放ってくれるということは、すごく信頼していただいているので。もっともっと上を目指してやっていきたいなと思います」。まだまだ始まったばかりのプロ野球選手人生。意気込みを新たにした。【金子真仁】

 

▼マスクをかぶっていたのは高卒ルーキーの松川虎生捕手。完全試合でマスクをかぶった捕手で、新人だったのは高卒に限らず松川が初めてだ。なお、無安打無得点試合では54年に山下(近鉄)が達成した試合で社会人出身ルーキーの原が出場していたケースがあったが、「高卒新人」が無安打無得点試合でマスクをかぶったのは、2リーグ制後では初。