広島大瀬良大地投手(30)が14日、マツダスタジアムで調整を行った。

4年連続開幕投手を務め、ここまで1勝1敗、防御率3・48の滑り出し。次回は16日中日戦での先発が見込まれ、本拠地では今季初登板となる。好スタートを切ったチームの勢いを加速させる投球が期待される。

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今季初の本拠地登板に向け、大瀬良はブルペン投球などで汗を流した。チームの好発進を喜びつつ、表情に満足感はない。「僕が一番、調子自体は良くはないと思う。最低限、ゲームはつくれているけど、求められているところはそこじゃない」。ここまで登板3試合全てでクオリティースタート(6回以上、自責3以下)達成も、大黒柱としての役割を果たせているとは思っていない。

1日中日戦は8回にリードを守り切れず、チームに今季初黒星を付けた。8日阪神戦も3点のリードを追い付かれた。次回登板が見込まれる16日は、逆転負けを喫した中日。「よりいい形で投げられるように準備はしてきました。あとはしっかりそれを結果として出せるようにやっていきたい」。リベンジを誓う。

得意球とするカットボールとスライダーの精度が上がらず、小手先で操作しようとすることでフォームのバランスを崩す悪循環も見られた。この日のブルペン投球では、プレート位置を真ん中あたりから三塁側に変えて投球。ホームベースへの角度を付けることで、曲がり球の軌道イメージが付けやすくなった。「今日はすごく気持ちよく投げられたかな。その感じで投げられれば戻ってくるという手応えはある」。復調の兆しは見えている。

リーグトップのチーム防御率2・32を記録する投手陣が好発進を支えている。「みんな頑張っていますし、そういう流れは野手の攻撃にもうまく循環しているのかなと思う。やっとホームで投げられるので、何とかいい投球をして、いい流れをつくっていけたら」。入場制限が撤廃された本拠地マウンドへ。真っ赤な球場でエースの完全復調となれば、広島の勢いは加速するはずだ。【前原淳】