日本ハム加藤貴之投手(29)が、100球未満で完封する「マダックス」達成で、今季2勝目を挙げた。持ち味の緩急で楽天打線を手玉に取り、3安打1四球に抑えた。

【ニッカン式スコア】19日の楽天-日本ハム戦詳細スコア

▼加藤が90球で完封勝利。投球100球未満の完封は、16日ヤクルト戦のDeNA上茶谷大河(91球)以来だが、90球以下では08年7月20日西武戦のロッテ渡辺俊介(88球)以来14年ぶり。イニング別投球数は、

1回12

2回10

3回6

4回10

5回7

6回5

7回6

8回17

9回17

合計90球。7回まで56球。9回完投のプロ野球最少は52年柴田英治(阪急)と57年植村義信(毎日)の71球だが、一時は70球台を狙えるペースだった。

▼加藤は昨年10月18日楽天戦(楽天生命パーク)で先発通算106度目にして初完投(初完封)し、先発試合数で史上最も遅い完投を記録している。プロ2度目の完投も同じ球場で同じ相手に完封でマークした。

 

◆マダックス 100球未満での完封を意味する言葉として使われる。86~08年に大リーグのブレーブスなどで通算355勝を挙げ、殿堂入りした大投手グレグ・マダックスは、通算35完封のうち13度を100球未満で達成。抜群の制球力は「精密機械」と呼ばれた。球数で降板のタイミングを管理する現代の野球では、100球未満の完封が先発投手の理想になる。

◆加藤貴之(かとう・たかゆき)1992年(平4)6月3日、千葉県生まれ。拓大紅陵では甲子園出場なし。新日鉄住金かずさマジックでは野手転向後に投手に再転向。15年ドラフト2位で日本ハム入団。21年10月18日楽天戦でプロ初完封を記録。通算成績は161試合で35勝34敗、防御率3・58。182センチ、87キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸7300万円。