阪神がサヨナラ負けで3連敗を喫し、浮上の兆しが見えない。球団ワースト記録を更新する開幕からビジター11連敗となり、今季最多の借金15に膨れ上がった。

0-0の同点で延長に突入したが、10回4番手の浜地がソトにサヨナラ本塁打を浴びた。最短で29日巨人戦(東京ドーム)で、自力優勝の可能性が消滅する危機を迎えた。

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慢性的な貧打続きの攻撃陣が好投する先発小川を見殺しにした。1回2死三塁で大山が三ゴロ。3回も2死三塁で佐藤輝が中飛。4回は2死から一、三塁の好機を築いたが先制点を奪えなかった。中盤以降はDeNA先発東に抑えられた。8回は2死一、二塁で近本がエスコバーの151キロ速球に投ゴロ。決め手を欠いた。

阪神にとって歴史的な屈辱になる。29日巨人戦で自力優勝の可能性が消えればシーズン30試合目になる見通し。2リーグ分立後のプロ野球最短の55年大映27試合目こそ免れるが、18年楽天31試合目を上回り、ワースト2位の恐れが残る。球団ワーストは最下位に終わった01年の67試合目。暗黒時代をはるかに上回る、屈辱的な負けっぷりだ。

阪神は63年に開幕からビジター6連敗したのが従来のワースト記録だったが、悪循環を止められない状況が続いている。

▼阪神が今季3度目のサヨナラ負けを喫し、これで開幕から敵地では11連敗。52年のフランチャイズ制施行後、開幕からビジターで11連敗以上は、54年洋松15連敗、56年広島12連敗、58年広島12連敗、73年近鉄13連敗に次いで49年ぶり5度目。

▼阪神は最短で、今季30試合目の今月29日に自力優勝の可能性が消滅する。21日から阪神が8連敗、巨人が8連勝すると仮定。30日以降に(1)阪神=残り113試合に全勝しても、最終成績は116勝26敗1分けで勝率8割1分7厘。(2)巨人=阪神戦残り18試合に全敗しても、他球団との95試合に全勝すれば、118勝25敗で勝率8割2分5厘となり、阪神を上回るため。また29日までに2球団に△があっても、29日に阪神の自力Vが消える場合もある。

▼2リーグ分立後の最速での自力V消滅は、55年大映(消滅)の27試合目。このときのパ・リーグは8球団あった。現行の6球団によるリーグ戦に限ると、18年パの楽天31試合目を超え、阪神が球界最速となる恐れがある。