早大が4戦目で今季初勝利を挙げ、明大戦1勝1敗とし、3戦目に持ち込んだ。

先発の加藤孝太郎投手(3年=下妻一)は低めに丁寧に集め、初完投でリーグ戦初勝利。1点差で逃げ切り、小宮山悟監督(56)は「学生野球らしい、いい試合ができた。(加藤は)足をつっていたが、本人が投げたいということだった。本来なら心を鬼にして代えないといけないところだけど、俺も優しくなったなと思った」と笑いを交えながら話した。

打線は2回に、先頭の今秋ドラフト上位候補の蛭間拓哉外野手(4年=浦和学院)が右中間を破る二塁打で出塁。ベンチに向かって大きなガッツポーズを決め、闘志を見せた。2死二塁となり、印出太一捕手(2年=中京大中京)が投手の脇を抜ける中前適時打を放ち、蛭間が生還。先制点を挙げた。4回1死一、三塁では、初スタメンに名を連ねた松木大芽外野手(4年=金沢泉丘)の右犠飛で1点を追加した。

加藤は7回途中から両足をつっていたが、志願して続投。「ここまできたら、完投したいと思いました」とマウンドは譲らなかった。

9回2死一、二塁で明大・明新大地外野手(4年=明大中野)にシュート回転して甘く入った球を左前打とされたが、左翼手の松木が好返球し本塁で刺して1点差を守りきった。加藤は「松木さんがすごくいい送球をしてくれた」と感謝した。

23日の明大戦は2-5で敗れた。小宮山監督はミーティングで「昨日はベルトの高さの球を打たれていた。コントロールを徹底しろ」と厳しい言葉で伝えていた。何度も低めのジェスチャーを出していた印出は「とにかく低めに放らせた。ローボールを徹底したからこそ、カウントを整えて投げきれることができたと思う」と勝因を分析した。