早大が、4戦目にして今季初勝利を挙げた。

先発の加藤孝太郎投手(3年=下妻一)が9回を107球、被安打6の1失点で初完投初勝利。明大に1勝1敗とした。今季から19年以来3年ぶりに勝ち点制が復活しており、3戦目に持ち込んだ。慶大は、ドラフト候補下山悠介内野手(4年)のソロ本塁打などでリードしたが、立大の投手陣も踏ん張り3-3の引き分けとなった。

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待ち望んでいた勝利の瞬間が訪れた。早大・加藤は、9回2死一、二塁で明大・明新大地外野手(4年=明大中野)に甘く入った球を左前にはじき返された。二塁走者は三塁を回ったが、左翼手松木がピンポイントで好返球。本塁で刺して1点差を守りきった。自身の初勝利を完投で飾り「松木さんがすごくいい送球をしてくれた」と加藤は笑顔を見せた。

試合後の整列には、足を引きずりながら入った。7回途中から、両足がつっていた。それでも、足を伸ばすしぐさはマウンドで見せなかった。心配する小宮山悟監督(56)に「大丈夫です」と続投を志願。「ここまできたら、完投したいと思った」と譲らなかった。

23日に2-5で明大戦に敗れ、ミーティングで小宮山監督の厳しい言葉が飛んだ。「コントロールを徹底しろ」。この日、印出太一捕手(2年=中京大中京)は何度も「低め」のジェスチャーを繰り返した。「ローボールを徹底したからこそ、カウントを整えて投げきれることができたと思う」と分析。小宮山監督も「1つ勝つのに四苦八苦したが、少し先が見えてきた」と話した。ここから、早大の巻き返しが始まる。【保坂恭子】