「野球初心者」の子ども用グラブ「Stage1 グリーングラブ」(税込み4400円)が4月1日の発売以来、話題になっている。

野球用具メーカーのフィールド・フォース(以下FF社)が開発して、昨年夏と暮れに1000個ずつ全国の子どもたちにプレゼント。そこから、細部を改良して商品化された。

小さい子どもの手でも握りやすい軟らかいグラブはこれまでもあったが、多くが合成皮革かビニール製だった。FF社は捕球感のある天然素材にこだわり、硬い牛革ではなく豚革を採用。軟らかさと軽量化を進めた。

さらにベルトの形状を工夫して親指を、表面の小指付近に大きめなスリット(切れ込み)を入れて小指を、それぞれ動かしやすくした。ウェブ(網部分)の先端もひもでぐるぐると固めず、スリットを入れた。全体が動かしやすくなる2カ所のスリットは、1ステップ上の「Stage2 うまくなるグラブ」(同7700円)にも採用している。「ボールが捕れないからおもしろくない」と、グラブが軟らかくなる前に野球をあきらめてしまう子どもが多いことから、最初から指が動かしやすいことにこだわった。

同じようなウェブの先端が動きやすい工夫を施した子ども用のグラブは、数年前に他のメーカーが発売したことがあった。評価は高かったが、価格は1万円を超えた。道具の高額化も少年の野球離れの一因だけに、4000円台に収めたグリーングラブへの注目度は一気に高まっている。