広島が中日8回戦(バンテリンドーム)で今季2度目のゼロ封負けを喫した。前回対戦で完封勝利を献上した柳に対し、3回まで毎回得点圏に走者を進めるも、1本が出ず。佐々岡真司監督(54)は、流れを引き戻そうと先発玉村を3回2失点で下げたが、「中日」「バンテリンドーム」「柳」と苦手3要素の前に屈した。これで中日戦は2勝6勝。2カード連続の負け越しで3位に後退した。

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リベンジを誓った名古屋の地で、佐々岡広島が中日にのみ込まれた。立ち上がり不安定だった柳から序盤の得点機を逃すと、尻上がりに調子を上げた右腕の前にチャンスすらつくれない。早めの継投で接戦に持ち込もうとするも、流れは引き寄せられず、点差だけが広がった。前回3連敗を喫したバンテリンドームで再びカード負け越しとなった。

佐々岡監督 1回、2回でしょう。四球絡みでチャンスをくれて、何とか点を取りたかった。あそこしかなかったという感じはある。

1回2死一、二塁では坂倉が二ゴロ。2回1死一、二塁は投手玉村がバントできず、続く堂林も空振り三振に倒れた。3回の2死一、三塁では田中広が見逃し三振。本塁が遠い。終わってみれば7回まで119球を投げ切った柳に、今季16イニング連続無得点となった。

苦手は柳だけでない。30試合で16勝13敗1分けの中、中日には2勝6敗と大きく負け越し、対戦打率は5球団で最も低い2割1厘に抑えられている。特にバンテリンドームでは1勝5敗、6試合で8点しか奪えていない。朝山打撃コーチは「先発も中継ぎも(球が)強いので、何とか接戦に持っていって(勝機を)取るというイメージでやっているんだけど、なかなかうまくいかない」と頭を悩ませる。

今季中日戦は1点差が5試合、2点差が1試合と、接戦が多い。立浪監督が貫くのは、佐々岡監督が目指す「投手を中心に守り勝つ野球」だ。3週間後の同じ週末に3連戦が控えるなど、リベンジするチャンスはまだまだある。2カード連続負け越しで、順位を3位と1つ下げた。佐々岡監督は「ゴールデンウイーク中でお客さんがたくさん入ると思うので巻き返したい」と3日からの巨人、DeNAとの本拠地6連戦に照準を合わせる。コイの季節に、このまま沈んでいくわけにはいかない。【前原淳】

○…先発玉村は3回2失点で、今季初黒星を喫した。立ち上がりから制球がばらつき、1回1死一、二塁は切り抜けるも、3回は1死から3連打で2点を失った。先発タイプの遠藤が中継ぎ待機していたこともあり、4回に代打を送られた。自己最短の降板に「代えられるような投球をしている僕が悪い。もっとしっかり投げないといけない」と唇をかんだ。

○…開幕ローテ投手の遠藤が4回から中継ぎ登板した。6回に犠飛で失点するも、3回1失点。「最少失点で抑えられたことはプラスに捉えて、次に向けていければ」。今後の起用法は不透明ながら、先発も中継ぎもできることは強み。「どのポジションにも対応して投げられれば、使い勝手も良くなると思う。僕も経験を少しずつ得て、さらにレベルアップできれば」とリリーフを前向きに捉えた。

○…今季初昇格のケムナが、8回に初登板した。味方の失策から招いた無死満塁から犠飛で1失点も、後続を断ちって1回を自責ゼロ。「追加点を取られたのは悔しいし嫌ですが、フライ(アウト)が3つは結構押せているのかなと。次は点を取られないように。それを継続できるように頑張りたい」。春季キャンプ序盤に患ったへんとう炎から復帰。再出発を誓った。

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