一振りで接戦に終止符を打った。2戦連続延長戦となった10回。2死走者なしから、広島西川龍馬内野手はDeNA三嶋の内角スライダーに詰まりながらも右翼ポール際に運んだ。

「強いスイングを意識しました。芯で打ってたらファウル。逆に詰まって良かったなと思います。理想の打球と言えば理想の打球」。自賛の3号ソロがサヨナラ弾となり、同じ延長戦で敗れた前夜の借りを返した。

自身の借りも返した。前4打席は2三振含む無安打も、主軸の自覚が打席での落ち着きに変えている。「(鈴木)誠也が抜けたというのもあるし、もう中堅。試合に出ている以上、ある程度責任感を持ってやらないといけない」。自身初のサヨナラ弾で連続安打を4試合に伸ばした。開幕から1番を任され、25得点はリーグトップを誇る。4月22日DeNA戦から打順を3番に上げてからはポイントゲッターと化す。3試合連続打点でシーズン20打点に乗せた。サヨナラ打も3月29日阪神戦に続く今季2度目と、勝負強さが際立つ。

チーム7試合ぶりの1発が勝利につながった。佐々岡監督は「龍馬があそこでしっかり決めたというのが本当に大きい」とたたえた。連敗を阻止し、首位浮上のヤクルトを1差で追う。【前原淳】

○…広島森下は9回1失点で勝利に貢献した。5投手が登板した前日のナイターから一夜明けのデーゲームで9回まで119球を投げきった。中継ぎ陣の負担を減らし、打っては二塁打。投打での活躍に、佐々岡監督は「9回までナイスピッチングしたからこそ、こういう試合になった。だからこそ、勝たせてあげたかった」と話した。右腕は「ゲームをつくることが1番大事だと思う。チームは本当にいい流れでもありますし、いい雰囲気でやれている」と冷静に振り返った。

▽広島ケムナ(延長10回を無失点に抑え今季初勝利)「延長の1番手として送り出してくれたのはありがたいし、起用に応えられるように一生懸命やった結果。とにかくうれしいです」

【関連記事】広島ニュース一覧