ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、今季初の2打席連発で単独首位再浮上に導いた。まずは1点を追う6回無死、広島森下から「逆らわずにしっかりと押し込むことが出来ました」と、入団2年目から4年連続2ケタ本塁打となる10号ソロ。さらには1点を追う8回無死、ターリーからバックスクリーンへ11号ソロ。4月5日中日戦(神宮)以来となる1試合2発で、トップの巨人岡本和に1本差と迫った。

1回無死満塁の好機こそ凡退したが、切り替えて結果につなげた。6回、「先頭だったので何とか塁に出る意識をしていました」と、昨季まで23打数3安打と苦手としていた森下の151キロ直球を捉えて節目の1発。同じく先頭で迎えた8回には、初対戦の左腕に対し「どういう球を投げるか分からなかったけど、ストライクが来たら積極的にいこうと思っていた」と2球目で勝負を決めた。

今季11本塁打のうち、中堅から逆方向への1発は実に9本目となる。昨季までの104発の内容は左37本、中12本、右55本で中堅から左に49発。全体の47・1%と多い数字だが、今季は81・8%とさらに傾向が顕著となる。入団時から指導する杉村打撃コーチも「引っかけるとゴロになる。それを(バットの)ヘッドを返さないでセンターに押し込む。あの技術は他のバッターには出来ない。すごいバッターになってきましたね」と感心する成長ぶり。進化する主砲のバットが、好調の燕をさらなる高みに導く。【鈴木正章】

 

○…長岡が守備のミスを取り返す決勝打を放った。同点の8回1死二、三塁、広島森浦の2球目を中前にしぶとく落とした。同点の5回1死一、三塁の守備では、自身の送球ミスで一時勝ち越し点を許していただけに「なんとか取り返したいとずっと思っていました。いい感じに詰まって、いいところに落ちてくれました」と喜んだ。4月2日以来となる今季3度目の猛打賞。打撃面で復調の兆しを見せた。

▽ヤクルト高津監督(12日中日戦で右足をひねった塩見を8回に代打で起用)「走る方に不安があるので代打だけにしました。おそらくというか、明日もこうなると思います」

▽ヤクルト山田(9回に7号ソロ)「先頭打者だったのでチャンスメークしようという気持ちで打席に入りました。たまたま良い角度でいってくれました」

▽ヤクルト原(5回を6安打2失点)「何とか粘り切ろうという思いで投げていました。野手にも助けてもらいましたが、粘り切れず申し訳ないです」

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