日本ハム上沢直之投手(28)の粘投が、チームに今季2度目の3連勝をもたらした。14日ソフトバンク戦(札幌ドーム)に先発し、8回5安打無失点で今季2勝目。9回は北山が締め、前日に続く完封勝ち。ソフトバンク相手に2試合連続シャットアウト勝ちしたのは、大谷(現エンゼルス)が「1番投手」で出場した16年7月3日以来、6年ぶり。8カードぶりの勝ち越しを決め、15日は今季初の同一カード3連勝がかかる。

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歓声が、心地よかった。上沢が8回5安打無失点で、自身2連勝。今季、札幌ドーム5度目の先発でようやく白星をつかんだ。「なかなかいい投球が見せられず、ファンの方に申し訳ないと思いながら過ごしていた」。今季初の本拠地でのお立ち台で、喜びに浸った。

幼なじみ宇佐見と息の合ったバッテリーで、尻上がりに調子を上げた。4回までは毎回走者を背負ったが、要所を締めて得点は与えず、5回以降は無安打。いつもよりもカーブの割合を増やして緩急で揺さぶるだけでなく、8回1死一塁で迎えた柳田には、「操作しやすい」と感じていたカットボールを4球連続内角高めに投げ込み、最後は外に落ちる高速フォークで、遊ゴロ併殺に仕留めた。宇佐見は「柳田さんを打ち取るイメージでフォークを選択して、最高の結果になった」と納得顔だ。

13日には、後輩の伊藤が完封勝利。上沢は「大海(伊藤)がいい投球をしてくれたおかげで、僕もすごく対策を立てやすかった」。カーブを使った緩急や配球など、たくさんのヒントを得た。「しっかり大海の後に続いて、ゼロに抑えることが出来たのが良かった」。ソフトバンク相手の2試合連続完封勝ちは、有原(現レンジャーズ傘下3A)が先発した16年7月2日と、大谷が「1番投手」で出場した翌3日の試合以来、6年ぶりだった。

チームは8カードぶりの勝ち越しが決定。新庄監督は「上沢君、今川君が表のヒーロー。陰のヒーローは2試合連続完封を演出した宇佐見君」。決勝打の今川とともに、バッテリーに感謝した。【中島宙恵】

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