走って打って、大フィーバーだ。日本ハムは本盗を含む重盗2つにスクイズと足でかき回し、ソフトバンクの強力バッテリーを攻略。

今季初の同一カード3連勝で、開幕3連敗を喫した相手に雪辱した。3試合ぶりに先発出場した浅間大基外野手(25)が3回に決勝の2点適時打を放つなど、BIGBOSS采配がズバズバ的中。さらに今季初の4連勝で5位ロッテに1ゲーム差に迫り、17日にも今季初の最下位脱出が見えてきた。

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試合後、日本ハム新庄監督は、今季一番の上機嫌だった。采配を振り返り「(的中率)100%じゃない? オレ。何でだろう」と、うれしそうに自画自賛。「選手が僕の作戦にしっかり応えてくれる。この成長はめちゃくちゃうれしかった。サインも出しやすかったし、決めてくれるだろうという安心感があった。すげ~楽しかったです!」。選手との信頼関係が今季初の4連勝&同一カード3連勝につながり、声を弾ませた。

1点差を追う2回だ。2死一、三塁から仕掛けた重盗が、見事にはまった。相手バッテリーのミスもあり、悠々と同点のホームを踏んだ新人の水野は、これがプロ初盗塁。「僕的にはサインに従っただけ」と涼しい顔で、サインを出した新庄監督は「最ッ高っすね。決まった瞬間、80回くらいガッツポーズした」と大興奮だ。

オーダーも的中した。朝起きて球場に来る時に「今日は彼だ」とひらめいたという浅間を3試合ぶりに先発起用。3回、その浅間が勝ち越しの2点適時打を放ち、新庄監督は「間違いなく右中間に打つと。そうしたら、しっかり打ってくれて。柳田君のホームランも当たったけどね」。

余計な予想も的中してしまったのはご愛嬌(あいきょう)。浅間は前日14日に、新庄監督から初めて打撃指導を受けたことを明かし「アドバイス通り、しっかり下半身を使えた」。百発百中だったBIGBOSSの“勘ピューター”には、明白な理由があった。

4回には無死一、三塁から今川のスクイズで追加点を奪い、1死一、二塁からこの日2度目の重盗を決めるなど揺さぶった。4回までに6点のリードを奪って、開幕シリーズで3連敗を喫した相手にお返し。「5連勝、6連勝、7連勝、10連勝…出来るチームに、今作り上げて行っている。めちゃくちゃいいチームになると思う」。5位ロッテに1ゲーム差。約1カ月ぶりに、上位の背中がはっきりと見えた。【中島宙恵】

○…首位打者の松本剛が「足」でも魅了した。打っては今季5度目の猛打賞。走っては2、4回に2度の重盗を決めた。「スタートを良く切って行きたいなと思った。ああいうプレーがハマり出すと本当に一気に勢いづく。走塁はおろそかにしてはいけないなと思いますね」。現在14盗塁で、こちらもリーグトップを走っている。

○…杉浦がBIGBOSSのアドバイスを受けて2勝目を挙げた。序盤に先制を許したが、その後はカットボールを軸に打者を惑わせた。5回のマウンドに向かう前には新庄監督から「1球1球、いろいろ変えて試してみて。バッターはそれが嫌だから、タイミングを変えてみて」と声を掛けられた。5回7安打2失点にまとめた。

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