夢が正夢になった? 日本ハム吉田輝星投手(21)が、1071日ぶりの白星を挙げた。3点リードを追いつかれた5回2死一塁、2番手でマウンドへ。初めてイニング途中から救援し“火消し”に成功した。実は、数日前に勝利投手になる夢を見たばかり。直後の6回に味方が3点を勝ち越し、先発勝利したルーキーイヤーの19年6月12日広島戦(札幌ドーム)以来となる、プロ通算2勝目が転がり込んだ。

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“火消し”に成功し、1071日ぶりの白星を手にしたのに、日本ハム吉田の表情は不満げだった。「後味、悪いっすね」。3点リードを追いつかれて迎えた5回2死一塁。初めて、イニング途中でマウンドに上がった。オリックス大城を「思い切って腕を振ったら、いいところに落ちてくれた」という内角のフォークで右飛に仕留め、直後の6回に味方が3点を勝ち越し。その裏、本塁打を浴びて1点を失ったものの、デビュー登板で先発勝利を挙げて以来、3年ぶりの勝利だった。

「最近、先発で勝つ夢を見たんですけど、おかしいな~。なんか、中継ぎで勝っちゃった」と、首をかしげた。「ヒーローインタビューで、めちゃくちゃ僕が泣いていて…。『ああ、そういえば、1年目から勝っていないな』って。夢とは違う形でしたけど、これを機に自信をつけて頑張りたいです」。今季初登板では先発も以降は中継ぎで18回1/3を投げて防御率1・96と抜群の安定感を誇る。だが先発再挑戦を諦めたわけではない。試合後は、BIGBOSSに「ホームラン、わざとでしょ?」と冷やかされ「いえいえ、真剣勝負です」と照れ笑いした。

この日、鼻骨骨折をおして強行出場した4番野村、プロ初の1試合2本塁打を放った5番万波は、同じ18年ドラフト組。いずれも、甲子園で活躍した高校球界のスターだった。昨季までは、主に2軍で切磋琢磨(せっさたくま)。「絆は深いですし、皆で活躍出来たらうれしい。打ってくれたら、特別な1点という感じがしますね」。今は、1軍で一緒に戦えることが、うれしくて、たまらない。【中島宙恵】

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