沖縄の暖かな夜空の下、スタジアムのボルテージが最高潮に高まった。8回裏2死。西武山川穂高内野手(30)とソフトバンク又吉克樹投手(31)。「島人(しまんちゅ)対決」が実現した。制したのは、那覇市出身の山川だった。

7球目。山川はカットボールを捉えた。打球は思い描いたように角度こそ付かなかったが、強烈にセンター前へ転がっていった。浦添市出身の又吉から意地の一打を放った。

「独特の空気がありました。前回の福岡での対戦では三振に打ち取られてしまいましたが、今日は結果としてヒットを打つことができました。又吉さんはコースも球もビタビタで狂いがなく、最高の球が来ていました。それを打ち返すことができて良かったです」

代走が送られ、交代を告げられた。万雷の拍手が注がれた。

前の打席は「申告敬遠」だった。同点の6回2死二塁。強打者の宿命。一塁が空いており、勝負を避けられた。ブーイングが起こった。それほど、沖縄のファンは山川のバッティングを楽しみにしていた。その次の打席、真っ向勝負。まさに4番らしい、力強い打球で、沖縄のファンを喜ばせた。

3年ぶりの沖縄凱旋(がいせん)の2試合だった。山川は「ホームランを披露することはできませんでしたが、2日間、楽しくプレーすることができました。沖縄のファンの皆さんには、明後日からもテレビなどで応援していただけたらうれしいです。これからも沖縄勢でプロ野球を盛り上げていきたいと思います」と誓った。

【関連記事】西武ニュース一覧