亜大は、藤江亮太内野手(4年=享栄)が1人でチームの全得点を稼ぐ活躍で13年以来、9年ぶり9回目の決勝進出を果たした。

チームのために打ちたいー。前主将・藤江は「思い切って迷わず振るだけだ」と、思いをバットに込めた。初回、2死から先制の左越えソロ。2回表に1点返され、同点で迎えた3回には、相手失策と2四死球で満塁とすると、左犠飛で勝ち越し。7回にも1死二、三塁から左犠飛。この試合、3打点で得点のすべてをたたき出した。

責任感が強く誰からも頼られる存在で、新チーム発足時は主将に任命された。2月には療養中の田中幹也内野手(4年=東海大菅生)の復調とともに主将を交代。自身も昨年12月、右肩の脱臼を手術したが、寮で同部屋の田中幹が、難病を克服しリハビリに励む姿を間近で見て、励まされた。「下を向いている暇はない」。田中幹のサポートに回り、チームまとめた。チームメートは「いつもガムシャラ」「年中無休で頑張る先輩」と藤江を評すほど。チームのためにー。前主将の意地のバットが決勝へ導いた。

藤江は「派手さはないかもしれないがチーム一丸で頑張りたい」。1戦必勝で積み重ねたきた勝利。頂点まであと1つまでたどり着いた。【保坂淑子】