日本ハムが「日本生命セ・パ交流戦」の中日戦で快勝した。「ドラゴンクエストウォーク」とのコラボ試合2日目。新庄剛志監督(50)が「ガンガンいこうぜ!」とばかりに仕掛けた。4-0の5回1死二、三塁、カウント1-2から石川亮捕手(26)が相手の意表を突く2ランスクイズ。今季5度目の2桁得点で“竜退治”に成功し、チームは6月初の2連勝&カード勝ち越しを決めた。

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痛快な“竜退治”だった。3-0の5回、どうやらBIGBOSSはパルプンテを唱えたようだ。1死から今川の適時二塁打を含む3連続長短打で1点を加えると、打席には本拠地で今季初めてスタメンマスクを被った石川亮。カウント1-2からの4球目をバットに当て、前に出た一塁手と投手の間に、うまく転がした。

三走の谷内はもちろん、二走の今川まで悠々とホームにかえって2点追加。両拳を天に突き上げ、さらに右手で今季一番派手なガッツポーズを作った新庄監督は「完璧ですよ。キャンプからやってきたことが、ミスなく1発で成功した。それが、すごくうれしい。このうれしさを、みんなに分かって欲しいな」と大喜びだ。

3バントの緊迫した状況で、絶妙なスクイズを決めた石川亮は「BIGBOSS野球が浸透しているので『何かあるだろう』と準備はしていた。『ヨッシャ、ここで決めてやる』と。ここ数年で一番緊張した」。不思議と失敗のイメージは湧かなかった。5月31日に今季初昇格するまで2軍暮らしが続き、悔しい思いもしたが「いつ呼ばれてもいいように心と体の準備はしてきた」という。「ボスは『ミスしてもいいから思い切ってやれ』という環境を作るのが、すごくうまい」と、成功の秘訣(ひけつ)を明かした。

サイン通り、迷わずノンストップで三塁を蹴った二走の今川は、打っても4打数3安打3打点と大暴れした。5回に追加点の適時二塁打を放った際には「いまがわゆうまの『かいしんのいちげき』がでた。しゅうねん」と“ドラクエ風”にコメント。チームは今季5度目の2桁得点で、交流戦2度目のカード勝ち越しを決めた。新庄監督は「元気はつらつで気持ち良かったっす! 勝ち負けより(選手の)成長の方がうれしい。どんどん大きく成長して、いやらしいチームにしていきます」。最強への旅は続く。【中島宙恵】

○…先発杉浦が今季最長となる6回を投げ、4安打無失点で3勝目を挙げた。5月28日巨人戦は5回に4失点、4日の阪神戦も連打を浴び2失点した5回で降板。“鬼門”の5回を3者凡退で切り抜け「最近4、5回でつまかまっているので、同じことを続けてはいけないと気合を入れた。打線に援護してもらい、他の投手に申し訳ない」と13安打で10点を挙げた野手陣に感謝した。

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