勝ちパターン奪取! ソフトバンク甲斐野央投手(25)が14日、ペイペイドームで行われた投手練習で1軍に合流した。

17日の本拠地楽天戦から今季初昇格する予定で「自分じゃないピッチャーが投げているのを見ると、もどかしさがある。意識してなくても意識はする」と、勝利の方程式入りへ意欲満々だった。

現状、勝ちパターンの継投は7回津森、嘉弥真、藤井、8回又吉、9回モイネロが基本線。森山投手コーチはかつてセットアッパーを担った甲斐野について「いきなり7、8回はない」とした。ただ中継ぎ陣は3連投が原則禁止で、状況に応じて僅差での起用もあるという。ウエスタン・リーグでは24試合に登板し、防御率2・59。自己最速タイの159キロを連発するなど結果を出した。大台160キロに迫っており「気持ちは出てるんですけどね…」。

脱力フォームも追い風となりそうだ。65試合に登板した1年目の19年は、無我夢中ともいえる出力で投球。主に「8回の男」として26ホールドを挙げ、日本一に貢献した。しかしその代償か、翌20年は右肘不調で1軍登板はなく、オフに右肘を手術。「やっぱりどこかで故障しますし、疲れが出てくる」と反省し「長いシーズン戦いたい。いかに力を出さずに力を出すかを意識するようになりました」。今はしなりを生かし、右腕の負担を減らした。

昨年は22試合で4ホールド止まり。完全復活までに苦労と時間を要した。この日の合流では開口一番「ただいまです!」と声を弾ませ、晴れやかな表情だった。「状態はいいと思います。やってきたことをそのまま形に出すことだけです」。甲斐野の逆襲が始まる。【只松憲】

○…レイが17日から始まる楽天との首位攻防3連戦で中継ぎ待機する。9日の阪神戦で完封勝利を挙げた右腕について、森山投手コーチは「楽天は左バッターが多い。楽天戦に限ってはベンチに入ってもらう」と説明。楽天戦は千賀、大関、和田をそれぞれ中6日で投入し、次カードのオリックス2連戦(京セラドーム大阪)では石川、東浜を立てる。今季のレイはリリーフでも3試合8イニングを無失点に抑えており、適性は実証済み。万が一の第2先発としても期待できそうだ。

◆19年 東洋大から18年ドラフト1位で入団し、1年目から65試合に登板。「勝ちパターン」として2勝5敗、26ホールド、防御率4・14。中盤には代役守護神を任され、8セーブ。契約更改では3500万円増の5000万円でサインした。

◆20年 春季キャンプで右肘を痛め、1軍登板ゼロに終わった。キャンプ中に右肘を痛めながらもファンからサインを過剰に求められる動画がSNSで公開され、波紋を呼んだ。12月に右肘を手術。

◆21年 8月中旬に1軍へ復帰。22試合で0勝2敗、4ホールド、1セーブ。防御率は4・35だった。

◆22年 2月1日に急性胃腸炎と診断されるなど出遅れて開幕2軍スタート。ウエスタン・リーグでは24試合で1勝1敗、3セーブ、防御率2・59だった。

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