金メダリスト対決を制し、首位固めだ! 楽天田中将大投手(33)が、リーグ戦再開となる17日ソフトバンク戦に先発する。相手先発は千賀滉大投手(29)。東京五輪ではともに戦った仲間と、初めて先発で投げ合う。チームは9カード連続で初戦黒星と流れは悪い。1・5ゲーム差で2位につけるタカとの一戦。好投で勝利を呼び寄せ、チームに流れを一気に引き寄せる。

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グラウンドで再会を果たす。田中将と対決するのは千賀。リーグトップの防御率を誇る剛腕と初めて投げ合う。簡単には援護は望めない。「いい投手と投げ合う。どのゲームも一緒ですけど、やっぱり先制点を与えていかないようにしっかりと投げていくことが大事」と表情を引き締める。

昨年8月の東京五輪では、目をかけた1人でもある。当時千賀は左足首の靱帯(じんたい)損傷の復帰直後。五輪開幕直前は不調で精彩を欠いた。苦しむ後輩を助けたい。開幕戦の前日、延々と投球を繰り返す千賀を、捕手の後方に回って、じっくりと観察した。他の投手陣が引き揚げる中、30分以上視線を送り続けた。思ったことを本人に助言。千賀は投球を立て直し、五輪2試合に登板し、合計3回を無失点。米国との決勝にも登板し、世界一に貢献した。そんなやりとりから1年。田中将は「いい投げ合いができればいいなと思います」と意気込んだ。

1・5差で2位につけるソフトバンクとの首位攻防戦。今季開幕から火曜日に登板していたが、交流戦終了のタイミングで配置転換。リーグ戦再開初戦のマウンドを託された。チームは9カード連続で初戦を落としている。百戦錬磨の右腕は自身4連敗中も防御率1・99と安定感抜群。中9日と間隔を空けて満を持して臨む。「間も空いたので、リカバリーもしながら、ブルペンの回数だったりそういうものは調整しながら、自分が今取り組んでいることに時間は割けた」と手応えをつかんだ。

平常心で、自らの役割を果たすことに徹する。「どこ相手だろうが勝ち続けていれば、上には入れると思うので」。まずは3連戦初戦で勝利に導き、9年ぶりのリーグ優勝へ弾みをつける。【湯本勝大】

◆田中将と千賀の東京五輪 五輪イヤーに日本球界に復帰した田中将は、08年北京大会を唯一知る最年長32歳で稲葉ジャパンに選出された。五輪では決勝トーナメント(T)第1戦米国戦に先発し、3回2/3を6安打3失点。その後は山本、森下が先発し、登板機会がなかった。それでも準決勝韓国戦前には円陣で声出しを行い、士気を高めた。千賀は4月の左足首の靱帯(じんたい)損傷で当初は選出されなかったが、離脱した中川に代わり、追加招集。代表合流直前のロッテ戦で3回途中10失点と復調せず、五輪本番は中継ぎ待機となった。それでも決勝T第1戦米国戦で2回無失点。決勝米国戦でも1回無失点と好投した。

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