ロッテ益田直也投手(32)が西武の主砲山川に4球連続で直球を投じ、最後5球目も151キロ直球で空振り三振にした。

4点リードの9回無死、走者なし。最終回のマスクを託した加藤匠馬捕手(30)のリードを、8回までマスクをかぶっていた松川虎生捕手(18)はベンチでじっと見ていた。

山川には第1打席で本塁打を打たれた。その後も、変化球主体で攻めていた。先輩バッテリーの直球勝負の意図を、松川は試合後にしっかり確認した。「僕もしっかり見習いながら、この直球が明日の打席(の配球)につながると思うので、そこはしっかり学んで、勉強していきたいと思います」と口にした。

高卒ルーキー捕手としては史上3人目の開幕スタメンマスクをかぶり、佐々木朗の完全試合でもバッテリーを組んだ。球宴にもファン投票で選出されるなど、華やかな部分が注目されるが、確固たる正捕手の座はまだ遠い。「なんとか1点差のところでしっかり任される捕手になれるように頑張りたいと思います」。4月30日の日本ハム戦(ZOZOマリン)を最後にもう3カ月近く、勝利試合でのフルイニング出場を、捕手としての“完投勝利”をしていない。

井口資仁監督(47)は以前「最後はベテランで」と説明し、試合終盤、特に9回は加藤や柿沼にマスクを譲ることが多かった。

それでもこの日のように、ベンチから見るものも教材に学び続ける。打席もそうだった。2週間前の対戦では2三振を喫した西武エンスに、2安打でやり返した。

「前回はああいう形で2三振だったので。後手に回って、待って待って見た中で三振だったので。それより、自分のポイントを合わせられるところで振ったことがああいう結果につながったと思います」

見送り、見極めた分だけ、自分のポイントに合わせやすかった。5回は初球の直球を、6回は4球目のスライダーを、いずれもレフトへ引っ張った。

特に5回の安打は「70球を超えるとまっすぐも落ちてくると言われていましたので」というエンスの、まさに71球目に初球からアジャストした。続く荻野の安打、高部の犠打、中村奨の2点適時二塁打も、いずれも初球攻撃。18歳の思考と積極性が、中盤の逆転の起点になった。

センターから右方向への打球が多かったが、これで安打は3本連続で引っ張り。「自分のポイントで打ててきているんじゃないかと思います」と、ここに来て打撃でも力を示し始めている。「もっともっと体のキレを出していけるように」。バテるどころか、学びを成功につなげ始めてさえいる。当たり前のように1軍の勝利に貢献する18歳捕手が、もうすぐ前半戦を終える。【金子真仁】

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