犬鷲の爪が鋭くなってきた。楽天浅村栄斗内野手(31)が、2安打5打点2本塁打と暴れまくった。主軸の活躍に呼応するように、打線も奮起。今季最多タイの21安打で最多17得点を挙げ、快勝した。6月21、22日以来の連勝で首位ソフトバンク、2位西武とは1・5差。浅村がノリノリになってきたチームの中心に座り、一気にまくる。

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豪快なフルスイングで、敵地をため息で染めた。1点を先制した直後の1回無死一塁。カウント1ストライクから、大関の甘く入った146キロ直球を全力で振り抜いた。左翼席上段へ突き刺す16号2ラン。「打てて良かったです」。淡々とダイヤモンドを回った。

3回2死一、二塁で迎えた第3打席もフルスイングを貫いた。1ボールから中村亮の外角高め146キロ直球を迷わず捉えた。打球は右翼席方向へ高々と上がり、外野手は1歩も追わなかった。「1本目よりも2本目の方が感触的にはよかった」。“確信歩き”で一塁へと向かった。

1試合2発でチームの大勝に貢献。「今日は良かった。自分のスイングができた」と納得の1日となった。大量リードで、攻撃時間が長くてもやることは変わらない。「無駄な打席を作らないように集中して打席には入れてました」とうなずいた。

5打点で一気に打点リーグトップ西武山川の57に並んだ。17本塁打はリーグ2位。直近4試合では16打数5安打で、3本塁打、8打点。状態が上がってきた。チームは長く得点力不足に悩まされてきた。勝利を呼び込めなかったことに、責任を感じるときもあった。「打てる時と打てない時はあるので、その中でランナーいるケース、自分がかえさないと勝てないと思って毎試合やっている。今日は初回からいい攻撃ができたかなと思います」と引き締めた。強い覚悟で打線を引っ張り、首位奪還を狙う。【湯本勝大】