球宴初選出の同期を刺激に躍動する。社会人野球の北海道ガスが22日、第94回都市対抗初戦で、優勝7回、準優勝6回の強豪東芝と対戦する。副主将の安田大将三塁手(24=亜大)は、プロ野球のマイナビオールスターゲーム2022(26日=ペイペイドーム、27日=松山)に初選出された日本ハム伊藤大海(24)の駒大苫小牧時代の同期。全国初勝利を挙げ、昨年東京オリンピック金メダル、今季も既にチームトップ7勝と奮闘する戦友に負けじと、存在感を示していく。

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安田が“三度目の正直”となる全国1勝を引き寄せる。昨年初戦のセガサミー戦は、2回先頭で左前安打を放ち先制の生還を果たすも、追加点を奪えず1-10敗退。全国初出場だった日本選手権に続き1得点に終わり「いかに複数得点を取るか。全国の投手はレベルが高く甘いボールは少ない。追い込まれる前に勝負し、相手に余裕を与えないこと」と気を引き締めた。

元チームメートの活躍が、刺激になっている。駒大苫小牧時代の同期、日本ハム伊藤は昨季新人で2ケタ10勝を挙げ、今季も既にチームトップの7勝を挙げ、監督推薦で初の球宴出場を決めた。安田は伊藤の登板時はいつも、投球内容をチェック。伊藤は6月に右ふくらはぎに打球が直撃し、一時3連敗と苦しんだが「地道に立て直す姿勢に刺激を受けている。僕も社会人野球で頑張っているところを見せられたら」と意気込んだ。

戦友に負けじと全国で爪痕を残す。ドラフト上位候補の東芝主戦、吉村貢司郎投手(24=国学院大)は、同じ東都大学リーグでプレーしており、特長は頭に入っている。最速153キロの直球と鋭いフォークが武器で「苦手なボール、コースだと気付かれると、どんどん付け込まれる」。大学時代のイメージも生かし「積極的に早いカウントから振って、気持ちの面で優位に立てるように」と攻めの姿勢を掲げた。

チームとしても打撃マシンを150キロ前後に設定。まずスイングせずに球筋を見て、次にバント練習で目をならし、さらにボールに合わせてバットを振るという段階を踏み、吉村の高速ストレート対策を徹底してきた。安田は個人的に映像を見ながらのイメトレも並行。「ある程度、球は見えてきた。あとは実際に打席に立って、どう対応するか。フォークも怖いが、まずは真っすぐに振り負けないこと」。プロ注目腕討ちで、道勢6年ぶりの都市対抗1勝をつかむ。【永野高輔】

◆安田大将(やすだ・だいすけ)1998年(平10)1月3日、兵庫・尼崎市生まれ。尼崎南武庫之荘中時代は、田中将大を輩出した宝塚ボーイズでプレー。駒大苫小牧では伊藤とともに1年秋の全道大会優勝に貢献。2年春のセンバツは初戦の創成館(長崎)戦、2回戦履正社(大阪)戦ともに3番二塁で出場。3年夏は南北海道大会8強。亜大では4年時に主将を務める。20年に北海道ガス入り。178センチ、85キロ。右投げ左打ち。