阪神は25日、育成岩田将貴投手(24)と支配下選手契約を結んだと発表した。契約金は1000万円、年俸は支配下登録選手最低の420万円(金額は推定)で、背番号は「122」から「93」となる。今季阪神で育成から支配下登録されたのは渡辺、才木、島本で、岩田が4人目。これで阪神の支配下選手は上限いっぱいの70人となる。

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岩田の原点はソフトボールだ。福岡の「吉塚クリッパーズ」では全国8強に輝き、小学校6年間で主に一塁手を務めた。

「大きいボールを小さい頃から体全体を使って投げるんで、肩も強くなりました」

日々の練習でリスト、肩周りの筋肉が自然と強化されていった。野球に転向し、インステップで下手投げ寄りのサイドスローで投げる超変則フォームとなった今、細身の体からでも高い出力を発揮できる要因の1つになっていると言える。

「自分の周りにはソフトボールでは投手だったけど、中学の野球部で野手になった選手がいました。その場合は、守備がうまくなるんです。ソフトボールは塁間が短くて、すぐ投げないといけない。打球反応がめちゃめちゃ良くなる」

これもプロで投手となった今、生かされているのだろう。けん制、バントなどの打球処理。練習も含め、フィールディングを苦にしている姿を見た記憶は、極めて少ない。

1軍では左のワンポイントでの起用が予想される。ヤクルト村上、巨人丸、DeNA佐野、広島坂倉…。ゲームを左右する終盤、自らのフィールディングもピンチを切り抜ける1つの手段。変幻自在に強打者たちをひねる姿を早く見たい。【阪神担当 中野椋】

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